朝の光を浴びる
目覚めと光
起きてすぐ明るい光を見て、体内時計を前に寄せる
どんな技?
起きたら窓辺か屋外に出て、明るい光を目に入れます。曇りの日でも屋外は室内の照明よりはるかに明るいので、部屋の電気を足すより、外へ一歩出るほうが明るさは稼げます。通勤や買い物を朝の早い時間に寄せて、そのついでに済ませる形でもかまいません。夜側は夜の光と画面で光を落として、朝と夜で明暗の差をつけます。差をつけるところまでが一組の手順です。
なぜ効くのか
体内時計は、目に入る光の時刻を手がかりに合わせ直しています。朝側の光は時計を前に寄せ、夜側の光は後ろへずらします。だから朝に光を入れると、眠くなる時刻が前へ動く向きに働きます。動くのは眠りと目覚めの時刻で、学ぶ力そのものが上がるという話ではありません。目覚めが前に寄れば、寝起きの鈍さに当てる時間も読みやすくなります。
やり方
起きたらまずカーテンを開け、支度のあいだは外の光が入る場所で過ごします。できれば外に出て、歩きながら明るさを浴びます。実験で使われたのは朝の2時間や30分といった条件ですが、必要な時間と明るさは処方のように決められていません。起きる時間をそろえると組み合わせて、夜に眠くなる時刻が前へ動くかを手がかりにします。動かなければ光以外を疑います。
はまりどころ
確かめられているのは時計の位置が動くところまでで、試験の点数までは測られていません。元になった実験は朝の光だけを取り出したものではなく、夜の光の制限やメラトニンを併用した組み合わせでした。対象も入眠が遅れている人に寄っています。生活が回らないほどずれているなら、自力で直そうとせず医療機関に相談する範囲です。
確かめられ方
Rosenthal らが1990年に行った実験は、入眠が遅れる20人が対象でした。朝2時間の強い光に夜の光の制限を重ねて、体温リズムの前進が確認されています。Crowley と Eastman の2015年の実験では朝30分でも2時間の約75%の前進が出ましたが、午後のメラトニンと就床時刻の前進を併用しています。どちらも朝の光だけを取り出した設計ではありません。
解説動画(海外・英語): Optimal Morning & Evening Sunlight Routine | Dr. Andrew Huberman/Huberman Lab Clips
明るさの差をつける: 動画はまず一日の骨組みを置きます。起きていたい時間帯には光をできるだけ目に入れ、眠りたい時間帯にはできるだけ入れない。過去の回の要点をまとめた形です。ただし上限があって、見ていて痛いほど明るい光は避ける。まばたきや目を閉じずにいられないなら行き過ぎで、目は頭から押し出された神経の一部だから傷めても元には戻らない、というのが理由です。
屋外と室内の差: では明るさをどこで稼ぐか。無料の照度計アプリで家の中を測ると、明るい天井の照明でも4千から5千ルクスしかない。画面はさらに低く500から1000ルクスほどだと言います。ところが曇りの日の屋外でも7千から1万ルクスあり、外に出るのがいちばん早いと述べます。太陽は雲の裏にいるだけだ、と付け加えます。
光は足し算で届く: しくみの説明はこうです。網膜のメラノプシンの細胞が光を電気の信号に変え、上あごの天井のあたりにある時計へ送る。この系は光の量を足し合わせるゆっくりした働きなので、画面を一分見た程度では朝が来たと登録されない。目安として9時までに10万ルクスぶんを朝のあいだに積む、と自分の目標を置きます。
夕方の光の役目: 正午をまたぐと話が変わり、真上に昇った太陽をいくら浴びても時計は動かない。ここを動画はデッドゾーンと呼びます。一方で夕方の光を見ておくと目の感度が下がって、夜に画面を見てもずれにくい余地ができる。夜は千から千五百ルクスでも動くので、夜の光と画面の側と一組だと述べます。
キャンプの実験: 根拠として挙がるのはコロラド大学の2本の研究です。大学院生をキャンプに連れ出し、日の出とともに起きて夜は光を避ける生活を2日続けたところ、離れていたメラトニンとコルチゾールのリズムが元の側へ寄った。朝の光だけを取り出したのではなく夜を暗くするのと一組という、この項目の読み方と重なる結びです。