朝型と夜型
目覚めと光
起きやすい時刻には生まれつきの幅があり、光や生活でも動く
どんな技?
自分がいつ寝ていつ起きているかを、平日と休日で別に数日ぶん書き出します。見るのは眠っている時間の真ん中の時刻で、休日にそこが後ろへずれる幅が、平日に無理をしている量の目安になります。何型かの名札を貼るのが目的ではありません。ずれの幅を知って、予定の置き方を変えるための材料です。名札より、手元の記録のほうが当てになります。
なぜ効くのか
起きやすい時刻には生まれつきの幅があり、大規模な遺伝の解析でも朝型に関わる場所が多数見つかっています。ただし効きは小さく、光の当たり方や仕事の時刻でも動きます。平日に早く起きて休日に遅く起きる形が続くと、体内時計と生活の時刻がずれた状態になります。このずれは週末の寝だめでは戻し切れず、平日側を動かすしかありません。
やり方
1〜2週間、寝た時刻と起きた時刻だけを記録します。平日と休日それぞれで眠っている時間の中央を出し、その差を見ます。差が大きいなら平日の就床を少し前へ寄せる側から動かし、起床時刻の固定は起きる時間をそろえるに任せます。朝側の光を足すなら朝の光を浴びると組み合わせ、数週間かけて差が縮むかどうかを見ます。
はまりどころ
型を変えられない体質として扱うと、動く幅のほうを捨てることになります。遺伝の効きは大きくなく、最も朝型寄りの5%と夜型寄りの5%を比べた差も平均25分ほどでした。質問紙で見えるのは今の暮らしを含んだ時刻で、体質そのものの測定ではありません。夜型は欠点ではなく、名札から勉強のやり方まで決めるのは血液型で学び方が決まる説と同じ形の決めつけです。
確かめられ方
Wittmann らが2006年に、平日と休日の睡眠中央時刻のずれを社会的時差として定義しました。Jones らが2019年に解析した69万7828人の研究では、朝型に関わる遺伝子座が351か所見つかっています。ただし両極端の5%を比べた睡眠中央時刻の差は、平均25分でした。この指標については、Roenneberg らが2019年に測り方の誤用を自分たちで批判しています。
解説動画(海外・英語): Social Jetlag and Obesity (video abstract)/Francis Villatoro
三つの時計がある: 体内時計を研究している本人が、自分たちの研究を紹介する形の動画です。私たちの一日を動かしているのは三つの時計だ、と切り出されます。体の中で時を刻む時計、地球の自転が作る太陽の時計、そして歴史の新しいところで加わった社会の時計です。壁の時計が指す時刻と、その人の体の中の時刻はまるで別のことがあると述べます。
屋内で遅れていく: 体の時計を合わせているのは、昼の明るさと夜の暗さだと説明されます。畑に出ていたころは太陽を見れば時刻が分かり、体の時計も太陽の時刻とそろっていました。ところが今は屋内で過ごして太陽を見ないまま一日が過ぎるので、体の時計は後ろへ後ろへずれていきます。ずれの元を光に置く筋なので、朝の光を浴びるという手当てと裏表になります。
社会的時差とは: 遅い型の人は体の時計に従って眠りにつきますが、仕事の日は体の時計が起こす前に目覚ましで起こされます。この、社会の時計が求める時刻と体の時計が求める時刻の食い違いを社会的時差と呼ぶ、と動画は名づけます。社会の3分の2の人が生物学的な夜の最中に起こされている、というのが冒頭の見立てです。
休日に眠り足す: 多くの人は、平日と休日で眠り方がまるで違います。平日は目覚ましに起こされて眠りが足りず、休日は足りなかったぶんを埋めるように遅くまで眠る——動画はこれを、タンクを満たす行為にたとえます。週末の寝だめという形で平日と休日がこれほど食い違うこと自体が、ずれの現れだという並べ方です。
土地による隔たり: 太陽の時刻と社会の時刻の差は土地でも違い、同じ時間帯の中を西へ行くほど経度ごとに4分体の時計は遅くなります。ヨーロッパ最西端の街では、6時に起きる人は日の出の1時間半前に起きている計算です。動画は逆らう暮らしに喫煙や飲酒、カフェインの多さが伴うと述べ、手を打つべきだと結びます。