パラグライダー

飛ぶ・滑る

布の翼に空気を詰めて飛ぶ、たたんで運べる乗りもの

何が起きている?

たたむとリュックに入る布の翼です。前の縁に並んだ口から空気が入り、内側の圧力だけで形を保ちます。人は数十本のひもで下に吊られ、翼と一緒に前へ滑りながら降ります。斜面を走って浮かせるのが基本の始め方で、条件がよければ数分から数時間飛び続けられます。

流れとしての理屈

翼が前へ進むと、当たった空気は面に沿って向きを変え、後ろへ下向きに流れ出ていきます。押し出された空気の反作用として、翼は上へ押し返されます。これが人の体重を支えている力です。上面の流れが速いことと圧力が低いことは同時に起きている事実で、どちらかがもう一方を生んでいるのではありません。骨組みが無いので、角度が崩れると翼ごとつぶれます。

選手がしていること

両手のひもを引く量で速さと向きを変え、体重移動を合わせます。上へ動く空気は日当たりのよい斜面や積雲の下に多く、見つけたら旋回して高度を稼ぎます。山を越える風の風下側は流れが乱れるので近づきません。講習と技能証が前提で、独学で始める乗りものではありません。

勘違いしやすいところ

落下傘の仲間に見えますが目的が逆です。落ちるための道具ではなく、前へ進んで上向きの力を作る翼で、上昇する空気が無くても高さ1に対し前へ8前後の割合で滑れます。つぶれが起きる条件は空気の乱れしだいで、読み切ることは難しいまま残っており、風の強い日は飛ばないという判断が要ります。

解説動画: 99%の人が知らないパラグライダーの世界|よくある質問や基礎知識についてインストラクターが解説/パラグライダー楽しいよCH

パラシュートとの違い: パラシュートは開いて空気抵抗を増やし落ちる速さを落とす道具。パラグライダーは布の面積が大きく翼の形がなめらかで、飛行機と同じように揚力を出す。だから落下ではなく滑空で、山の斜面を走って斜め下へ飛び出す。動力を積むモーターパラグライダーとも別物。

キャノピーとラインの造り: 翼にあたるキャノピーは1枚布ではなく、上面と下面の2枚の布を貼り合わせた立体構造。前側のエアインテークという取り入れ口から空気が入ることで形が保たれる。吊っているラインは左右おおよそ10本ずつで上へ行くほど枝分かれし、1本でも体重を支える強度がある。

後ろを下げて曲がる: 操縦桿の役をするのが翼のいちばん後ろにつながるブレイクコード。引くと後ろ側が下がり、それが空気抵抗になってブレーキがかかる。右を引けば右、左を引けば左と単純で、着陸はお尻の下まで一気に引く。手を離しても振り子安定でまっすぐ飛ぶ。

沈む速さと上昇気流: 何もしなければ1秒あたり1メートルの割合で高度が減るので、500メートルの山なら約500秒という計算になる。ただし上昇気流に乗れば話が変わり、高度1500メートルまで上がって2、3時間飛ぶこともある。斜面にぶつかって吹き上がる風と、日射で温まった空気が上がるサーマルの2種類。

見えない上がりを探す: 上昇気流は空気の流れなので目には見えない。そこで鳥の動き・雲・木の葉の揺れを見て探し、日差しの向きや山の凹凸から見当をつける。入ると高度計の音が鳴り、音が高いほど強い上がりだと分かる。速度は初心者機で時速20から30キロ、上級機は時速40から60キロまで出る。