木桶でなければ本物の発酵にならない
道具と材料
容器は、条件を作るための道具
よく言われること
「昔ながらの木桶には菌が住んでいるから、プラスチックやホーローでは本当の味にならない」。
実際はどうか
木桶の内部に微生物が入り込み、蔵ごとの個性に関わることは指摘されています。ただしそれは「木桶でなければ発酵しない」という話ではありません。家庭の仕込みで結果を決めるのは、温度・塩分・水分・酸素・衛生の5つで、容器はその条件を保つための道具です。ホーローやガラスは酸と塩に強く、においが移りにくく、洗って消毒しやすい—— 家庭ではむしろ扱いやすい選択です。
なぜ広まったか
伝統的な製法の価値が語られるときに、道具そのものが目的のように扱われるためです。木桶が担っていた保温性や通気性といった機能は、別の形でも実現できます。
どう言えば正しいか
「木桶には固有の微生物環境があるが、家庭の発酵を左右するのは条件の管理。容器は条件を保てるものを選ぶ」と言うのが正しい整理です。