昆布
乾物・粉
うま味の発見は、この昆布から
どんな食材?
グルタミン酸によるうま味の代表的な食材です。1908年に池田菊苗が昆布だしからグルタミン酸を取り出し、「うま味」を第五の基本味として提唱しました。産地で性格が違い、真昆布は上品で澄んだ出汁、羅臼昆布は濃く香りが強い出汁が出ます。
選び方・旬
厚みがあり、表面の白い粉(マンニトール)が付いているもの。この白い粉はカビではなく、うま味成分なので拭き取らないでください。汚れが気になるなら固く絞った布で軽く払う程度に。
下ごしらえ
水に30分〜一晩浸けてから火にかけ、沸騰する直前(約60〜80℃)で引き上げる。沸騰させ続けるとぬめりと雑味が出ます。かつお節と合わせるとグルタミン酸とイノシン酸の相乗効果でうま味が数倍になります。
保存
密閉して冷暗所。出汁を取ったあとの昆布は佃煮や煮物に使えます。
解説動画: 種類と温度で変わる昆布出汁と、うま味の相乗効果/料理王国
種類が違えば別の素材: 真昆布・利尻昆布・羅臼昆布は味の濃さも硬さも違い、グルタミン酸量の比較値も羅臼2290〜3380、真昆布1610〜3050、利尻1490〜1900と差があると引用している。利尻は旨味が控えめだが、そのぶん上品で澄んだ出汁が引ける。真昆布は旨味が強く甘みがあり、羅臼は旨味が強い代わりに出汁がやや濁る。
何度で引くか: 水に1%の利尻昆布を入れ、水出しと60℃・75℃・90℃で1時間加熱したものを比べている。温度が高いほど色が濃くなり、60℃は昆布臭さがなく旨味がよく出る。75℃は旨味が増える代わりに磯っぽい香りが立ち、90℃は色も香りも濃く渋みを感じたという。煮立てても旨味の物質が減るわけではなく、雑味が増えて旨味を感じづらくなるので、引くなら60〜70℃の間という結論になっている。
料理店での扱い: 取材した日本料理店では55〜65℃を保つように管理しながら昆布出汁を引いていた。目指す温度帯は60℃近辺で、沸かさない。70℃を超えると出汁に色が付くという店主の話が、そのまま実験の結果と一致した形になっている。
うま味の相乗効果と、あえて使わない選択: 昆布のグルタミン酸に鰹節のイノシン酸や干し椎茸のグアニル酸を掛け合わせると旨味が強まり、グルタミン酸とイノシン酸が1対1のとき最も強くなる。一方で昆布には他の素材の角を取ってまとめる働きもあり、いりこ出汁に昆布を足すといりこらしい香りが弱くなるため、あえて入れないという判断も紹介している。