卵

卵・乳・豆

卵は、白身と黄身で固まる温度が違い、それが仕上がりを決める

どんな食材?

白身と黄身で固まる温度が違うのが、卵料理の面白さと難しさの源です。英国の食品科学技術協会(IFST)は、白身は60℃、黄身は65℃で固まり、70℃で完全に固まると説明しています。その差を利用したのが温泉卵で、和洋女子大学などの研究では、水温65℃では210分たっても白身に流動性が残り、70℃では30分で流動性が見られなくなりました。

選び方・旬

賞味期限は「生で食べられる期限」で、食品安全委員会によると冷蔵(10℃以下)の保存が前提です。賞味期限を過ぎた卵は、生で食べず十分に加熱(75℃以上・1分以上)してください。ひびの入った卵もしっかり加熱します。割ったとき黄身が盛り上がり、白身が濃い部分と薄い部分に分かれているのが新鮮な証拠です。

下ごしらえ

古い卵のほうが殻がむきやすいので、ゆで卵には少し置いたものを使います。Bon Appétit の動画では、Lサイズを沸騰した湯に入れ、5分で白身はほぼ流れ黄身は液状、6分半で白身が固まり黄身は柔らかく、8分で黄身は流れず粉っぽさもなく、氷水で冷やしていました。中国の研究では、半熟卵は黄身の中心で殺菌の基準を確保しにくいとされます。

保存

とがったほうを下にして、冷蔵庫のドアポケットではなく奥へ。ドアは開閉で温度が変わります。ゆで卵(100℃で15分)を4℃・25℃・−18℃で最長48時間置いた研究では、冷凍で硬さなど食感が変わり、サルモネラは室温の卵からだけ検出されました。割った生卵は保存せず、その場で使い切ってください。

出典

  1. 資料・英語 Institute of Food Science and Technology Protein: coagulation
  2. 論文 辰口直子・大雅世(2019) 温泉卵の凝固状態への加熱温度と保持時間の影響―好みの温泉卵を作るには―
  3. 公的機関 内閣府食品安全委員会(2017) 生活の中の食品安全 -安心して生卵を食べられる国- その2 Q&A
  4. 動画・英語 Bon Appétit Every Way to Cook an Egg (59 Methods) | Bon Appétit
  5. 論文・英語 Shi Y ほか(2024) Towards the perfect soft-boiled chicken eggs: defining cooking conditions, quality criteria, and safety assessments
  6. 論文・英語 Eregama GSR ほか(2024) Evaluation of Physicochemical Changes in Hard-Boiled Eggs Stored at Different Temperatures

解説動画: 【板前の技術】失敗しない温泉卵の作り方/飲食店独立学校 /こうせい校長

温泉卵は温度と熱容量の勝負: 柔らかすぎたり固すぎたりで失敗しやすい温泉卵を、湯の温度がどう下がるかという観点から組み立てている。

鍋と水の量を「わざと」選ぶ: 失敗例として、熱伝導率の関係で保温性に劣る薄手のステンレス鍋を選び、卵に対して水の量を少なめにしている。どちらも温度が下がりやすい条件で、実際にどうなるかを見せるための設定。

湯温の実測: 沸騰させたら差し水をし、冷蔵庫から出したての卵を入れる。この条件で湯温は75℃前後になり、アルミホイルで蓋をして12分置くと63℃前後まで下がっていた。この温度帯を保てるかどうかが仕上がりを決める。

失敗の原因: 湯量が少なすぎて温度が急激に下がり、火が通りきらなかった。しかも火が通っていないのに、鍋から出してすぐ氷水に入れて温度を下げてしまったため、ほぼ生に近い状態になったと分析している。