古い豆の味(劣化・酸敗)
欠点の味
古い豆の味(劣化・酸敗)は、古い油のような酸敗臭や香りの弱さで分かる、淹れ方では直せない劣化です。
どんな味?
古い油のような酸敗臭がしたり、香りが立たなかったりしたら、豆の劣化です。ウィーン大学の研究では、真空包装の焙煎豆を訓練した評価者10人が9か月・18か月の時点で評価し、9か月で好ましい香味が弱まり、18か月で酸敗臭がはっきり感じられたと報告しています。品質としての酸味が「明るい」のに対して、劣化の酸は「刺さる、平坦、後に残る」。
どこから来るか
香りの成分が減り、酸化が進むことで起きます。イタリアの研究は、挽いた深煎りを30℃で最大1か月置き、容器内の香り成分の減りを劣化の目安にできたと報告しています。ウィーン大学の研究は、保存で出る酸敗臭を酸化が進んだ印としています。ペルーの大学が8種類の包装で40〜60℃に置いた促進試験では、高温と、豆を挽くことが劣化を早め、真空包装や多層の袋が好ましい香味を保ちました。
調整の仕方
これは抽出の調整では直りません。焙煎日が書かれた豆を飲み切れる量だけ買い、挽くのは淹れる直前にして、暑い所に置かないのが対策です。蒸らしのふくらみは炭酸ガスの量を映すもので、酸化の進みとは別です。James Hoffmann は、浅煎りは焙煎直後でもふくらみが小さいこと、ガスが多く残る豆は炭酸のような酸っぱさが出ることを説明しています。
出典
- 論文・英語 Kreuml MT, Majchrzak D, Ploederl B, Koenig J(ウィーン大学)(2013) Changes in sensory quality characteristics of coffee during storage
- 論文・英語 Anese M, Manzocco L, Nicoli MC(ウディネ大学)(2006) Modeling the secondary shelf life of ground roasted coffee
- 論文・英語 Fernandez-Rosillo F, Quiñones-Huatangari L, Campos Trigoso JA, Cabrejos-Barrios EM, Chavez SG, Balcázar-Zumaeta CR(ハエン国立大学[ペルー])(2026) Text Mining Analysis of Q-Grader Sensory Descriptors in Specialty Coffee Under Accelerated Storage Conditions
- 動画・英語 James Hoffmann A Beginner's Guide to Resting Coffee
解説動画: コーヒー豆を劣化させない保存容器と置き場所/GoodmanRoaster / 伊藤篤臣のコーヒーチャンネル
豆をだめにする4つの敵: 蒸し暑い季節はコーヒーの品質への影響が大きい、という入り方をしている。劣化と酸化を招くのは空気・湿度・光・温度の4つ。空気に触れさせず密封すること、湿度と温度は急激な変化を避けて高すぎなければよいこと、自然光を豆に直接当てないことを挙げている。
使ってはいけない容器: 豆の量に対して大きすぎる容器は空気に触れる面積が増え、20〜30gの豆を大きな容器に1か月置くと酸化が速く進む。透明の容器は自然光がそのまま当たるので、1か月以上かけて飲む人には勧めていない。密封できない容器も避ける—— 100円ショップの缶の容器は匂いが漏れ、ジップロックはポリエチレンで空気を通しやすいと言っている。
置いてはいけない場所: 冷蔵庫は他の食材の匂いを豆が吸ってしまうため勧めていない。豆だけを入れられるワインセラーのような場所があるならそこがよいとしている。日の当たる場所も避ける。そして焙煎日から3週間ほどで品質の劣化が始まり、風味が落ちていくので、それを超えて常温に置きっぱなしにしないこと。
3週間で保存を切り替える: 3週間以内に飲み切るなら常温でよく、風通しがよく自然光の当たらないところに密封容器で置く。冷蔵庫にあえて入れる必要はないという考え方。それを超えそうな分は袋のままジップロックで包んで冷凍庫に入れる。低温は劣化を強く抑えるが、使う分だけ出して解凍はせず、出したらすぐに挽く。