連作は、同じ対象を条件だけ変えて何枚も描くこと。


意味
同じ対象や主題を、光や季節や時刻などの条件を変えて何枚も描いた一組。一枚ずつでも作品として成り立つが、並べたときに変わるものと変わらないものが同時に見える。モネは1891年の積みわら展で全点をまとめて掛けるよう求め、個々の絵は連作を順に見て比べてはじめて本来の価値が出る、と訪問者に語ったと、ヒルステッド美術館の解説にある。
出てくる場面
ルーアン大聖堂は1892年と93年の春に現地で描き、アトリエで1894年まで手を入れた30点あまりで、1895年に20点が展示された。《積みわら》は1890年晩夏〜翌年2月に25点が描かれ、1891年5月に15点が並んだ。浮世絵の神奈川沖浪裏も、揃いの《冨嶽三十六景》の一枚である。モネの会計帳簿3冊を調べた2023年の論文は、連作という制作の進め方が経済的な成功で中心的な役割を果たしたと論じる。
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モネが積みわらを何枚も描いた連作の見どころ
どんな連作か
モネがジヴェルニーの自宅近くの畑で見かけた積みわらを、20数点描いた連作として紹介している。動画で並べているのはオルセー美術館にある1点と、6点ほどを持つというシカゴの美術館の作品で、後ろに見える丘まで同じ、同じ場所を描いたものだと確かめている。
並べて何が見えるか
2点を比べると背景は同じなのに影の向きが完全に逆で、光の来る方向が違うと指摘する。片方は朝、もう片方は夕方に近いと見ていて、朝は光が強すぎて色合いが見えにくいのに対し、日が陰ると緑のような色がよく見えてくる、という違いがそのまま出ていると話している。
なぜ同じものを何枚も描けたか
積みわらは脱穀の済んだ藁ではなく、脱穀前の麦を屋根のように積んだもので、脱穀の順番が回ってくるまでその場に置かれると説明している。季節のものではなく夏から翌春までほぼ1年あるため、同じ対象に何度も向き合えたのだという。
描き方の変化
雪景色の1点は細部がほとんど無く画面はほぼ白で、後ろの丘も筆跡だけに近いという。大きさもこれだけ小さく、横長で揃う他の作品のなかで正方形に近い形だと見ている。別の1点については、後年の睡蓮に通じる幻想的な色合いの前触れが感じられるという見方も示している。
出典
- 公的機関・英語 The National Gallery, London Grainstack (Sunset: winter)
- 公的機関・英語 The National Gallery, London(Google Arts & Culture) Monet's Rouen painting series
- 公的機関・英語 Hill-Stead Museum(Google Arts & Culture) Claude Monet's Grainstacks
- 論文・英語 Simon P. Kelly(2023) How Monet became a millionaire: the importance of the artist's account books
- 公的機関 文化庁 文化遺産オンライン(東京富士美術館蔵) 冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏
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