レチノール
整肌・エイジングケア成分
肌のターンオーバーを整える働きで知られるビタミンAの一種です。
何をする成分か
ビタミンAの一種で、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)を整える働きがあるとされる成分です。レチノールを配合した医薬部外品には、乾燥による小じわを目立たなくする目的で承認されているものがありますが、これは処方全体で認められた製品に限られ、レチノールが入っているだけでその効果が保証されるわけではありません。化粧品に配合されるレチノールは、医療用のレチノイン酸(トレチノイン)とは別の成分で、効果の強さや現れ方も異なります。シワが消える、なくなるといった医薬品的な効果までは確認されていません。
向く肌質
肌が丈夫でスキンケアに慣れている人向けとされることが多く、乾燥肌や敏感肌の人、肌トラブルが起きやすい人は使用の可否や濃度について慎重に判断したほうがよいとされています。特に肌が薄い部位や刺激に弱い部位への使用は、様子を見ながら行うことがすすめられます。
使い方
皮膚への刺激が比較的出やすい成分とされているため、最初は少量を夜のスキンケアに取り入れ、肌の様子を見ながら使用頻度を調整するといった使い方が一般的です。日中は紫外線の影響を受けやすくなるとの指摘もあり、日焼け止めと合わせて使われることが多いです。妊娠中・授乳中の使用については自己判断せず、医師に相談することがすすめられます。
注意点
使い始めに赤み、乾燥、皮むけといった反応が出ることがあり、これは慣れとともに落ち着くこともあれば、肌に合わずに続くこともあります。症状が強い場合や長引く場合は使用をやめ、皮膚科を受診してください。刺激が強い他の成分(酸系のピーリング成分など)と併用すると刺激が強まることがあるとされ、組み合わせには注意が必要です。
解説動画: 肌再生の専門家が安易に『レチノール』を使ってはいけない理由を解説します/北條元治 | 形成外科医・肌の再生医療の専門家
医療で使うレチノールと化粧品のレチノールは別物: この動画では、肌の再生医療を専門とする医師が、医療機関で処方されるレチノールやトレチノインと、市販の化粧品に配合されているレチノールは、濃度も働き方も異なるものだと説明しています。化粧品として販売されている製品を、医療機関で扱う濃度や使い方と同じ感覚でとらえるべきではない、という整理です。
反応を「消す」ではなく、見ながら整えるものとしてとらえる: 動画では、シワへの働きかけを「消す」という一方向の発想でとらえるのではなく、肌の反応を見ながらコントロールする対象としてとらえる視点が紹介されています。表皮が厚くなるという反応は、行き過ぎると肌トラブルにつながりかねないため、変化の度合いを見極めながら使うことが大切だという考え方です。
使い続けるかどうかの判断は自己流では難しい: レチノールを使い始めると、赤みや乾燥、皮むけといった反応の出方や程度は人によって異なります。動画では、こうした反応を見て使用を続けるか控えるかを判断するには、多くの症例を見てきた専門家の経験が参考になりやすいという考え方が語られています。自分ひとりの肌だけを基準に濃度や使用頻度を判断するのは難しい、という指摘です。
「高濃度配合」の表示だけでは判断しきれない: 動画では、化粧品に高濃度配合とうたわれていても、含まれているレチノールの種類によっては、期待されるような働きが確認されていないものもあると触れられています。パッケージの表示だけで効果の有無を判断するのは難しく、気になる反応が出た場合は使用を控え、専門家に相談するという姿勢が勧められています。