水彩紙
紙・支持体
水を受け止め、白を残す紙
どんな道具か
水をたっぷり乗せても波打たず、置いた絵の具をその場に留めるように作られた紙。表面のにじみ止め(サイジング)の強さと、繊維がコットンか木材パルプかで別物になる。水彩は塗り残しが白として働く画材なので、紙の白さと肌理がそのままハイライトになる。
選び方
目の粗さは荒目・中目・細目の三つ。迷ったら中目で、風景も人物も受け止める。厚さは300g/m²が定番で、これなら水張りなしでもほぼ波打たない。F4サイズ1枚で100〜400円、上のほうはコットン100%になる。安い紙は吸い込みが浅く、乾きが速い。
使い方のコツ
薄い紙を使うなら先に水張りをする。全体を湿らせて板に留め、乾いてから描くと平らなまま仕上がる。紙を傾けると低いほうへ絵の具が溜まるので、にじみは傾きで操れる。表面は同じ場所を筆で往復すると毛羽立つため、一度置いた色は触らない。
手入れ・注意
湿気を吸うので平らに寝かせて乾いた場所に置く。四辺を糊で留めたブロックは、描き終えて完全に乾いてから隙間にナイフを入れて剥がす。乾く前に剥がすと波打ったまま固まる。手の脂も吸うので、描く面には手を直接置かない。
解説動画: 同じ絵を荒目・中目・細目に描いて比べる/Studio HANE
三つの目の粗さをどう説明しているか: 同じ水彩紙の細目・中目・荒目を用意し、同じ風景を三枚描いて違いを見せている。細目は表面がなめらかでペンがすべるように走り、ボタニカルアートのような細かい描写に向く。中目は凹凸が細かく細部まで描き込める。荒目は凹凸が大きく、線が荒く走ってダイナミックになると紹介している。
鉛筆とペンの出方: 鉛筆でかすれた質感を出すなら断然荒目だと言う。ざらついた面ほど鉛筆の渋さが出て面白くなるという見方。逆に細い線を引くペン画なら細目で、色をあっさり乗せる描き方も含めて有利。鉛筆は下書き程度にしていろいろな表現を混ぜたいなら中目という選び分けを示している。
塩と削りの効き方: 水に塩を撒く技法は、紙がざらついているほど大きな粒が残る。細目ではごく小さくしか出ず、塩と紙の接する面の広さの違いだろうと見ている。描いた面を削って白を出す技法は、目が細かいほど削り跡がシャープに出る。荒目は目の奥に絵の具が残るので、強く押さえないと取れない。
結局どれを選ぶか: かすれた筆致は荒目がいちばん出しやすく、中目でも水気を飛ばしてから塗れば出せるが油断すると凹凸に埋まる。細目はできなくはないが向いていないとする。三枚を通しで描いてみて、塩も削りもかすれもある程度受け止める中目がいちばん面白かったと結んでいる。