霧は細かいほどよく育つ?
収量と速度の説
判定: 測るとそうならない
いちばん細かい霧が、よい結果ではありませんでした。レタスで粒径の違う4つのノズルを比べた試験では、最も細かい超音波式が伸びず、中くらいの粒のほうがよく育っています。
言われていること
「霧は細かいほど根の表面に均一につき、養分と酸素の吸収がよくなる」「ミクロン単位の微細ミストほど育ちが速い」という説明が、装置の紹介や自作の記事に並びます。粒が小さいほどよい、という一本の線で語られ、どの型のノズルで、どのくらいの間隔で当てたのかは書かれないまま、粒径の数字だけが残ります。
誰が、何を、どう測ったか
Tunio ら 2021(Agronomy 11(1):97、CC BY)が、粒径4.89・11.24・17.38・26.35 µm の4ノズルと噴霧間隔30・45・60分、噴霧は5分の組でバターヘッドレタスを育てました。最も細かい超音波ミストユニットは、測ったどの項目でも差が出ていません。この系列は江蘇大学の同じ研究室が続けて出したもので、独立した追試ではありません。
測るとどうか
よかったのは空気で砕く型の11.24 µm を30分間隔で当てた組で、養液のpHとECの動きが最も小さく、側根の伸びと重さが増えました。Lakhiar ら 2019 は3.451・23.281・46.386 µm を比べ、最も粗い46.386 µm の無空気型が勝ちます。Yao と Gao 2026 の最適化は約57.55 µm を挙げました。最適とされた粒は11から57 µm まで動きます。
どう言えば正しいか
決まるのは細かさ単独ではなく、ノズルの型と粒径と間隔の組です。小さすぎる粒は根に届く前に流されたり蒸発したりします——小さすぎる霧は届かないとストークス数と捕まる割合が同じことを扱います。型ごとの違いは空気で砕く霧化へ。どれも温室の小さな装置での試験で、品種や規模での確かめが要ると本人たちが断っています。
解説動画: Aeroponics Droplet Size for High-Pressure Systems/High Tech Gardener
目安とされる粒: 動画は、高圧で噴霧する系では平均50マイクロメートルの霧を根に当てるのが目安だと述べます。髪の毛の太さがおよそ100マイクロメートルなので、その半分にあたる細かさです。なぜ50なのかは分かっていないことも多いと自分から断ったうえで、NASAがいくつもの試験でこの値を挙げていると紹介し、以降は分かっている理由のほうを順に並べます。
空気に浮けるか: 最初の条件に挙がるのは、霧が空気に浮いていられるかです。気温にもよるが100マイクロメートルより小さい粒なら空気中に留まれる、空に浮かぶ雲の水滴と同じだと説明します。噴いてすぐ落ちてチャンバーの底にたまった霧は根に触れないので何の役にも立たない。地上の重力なら50マイクロメートルの粒が8秒以上は浮くと述べます。
根毛の太さと比べる: 次に出てくるのは根の側の寸法です。根毛の直径はおよそ17マイクロメートルで、粒はその3倍あたりまでに収めたいと動画は言います。50はちょうどその見当です。大きすぎる粒は根毛をよけて回り込んでしまい、逆に小さすぎる粒は当たっても跳ね返る。根毛の量という根の側の寸法から粒の大きさを決める順序で話が進みます。
細かすぎる霧: 10マイクロメートル以下の霧は乾いた霧と呼ばれ、表面張力が強いので面に当たっても水を置いていかず、卓球の球のように跳ね返るだけだと動画は述べます。細かい粒は噴き出し口では速くても途中で失速するため、密に絡んだ根の塊の内側まで届かない。届かない中心が傷みの元になるとも言い、小さすぎる霧は届かない側の話につながります。
平均値であること: ノズルに書かれた50マイクロメートルは平均の値であって、実際に出ている粒には大小が混ざっている、と動画は結びます。その散らばりが、細い根毛と魚の骨のように枝分かれした根の両方を出させるという見立てです。つまり細かさを一方向に上げていく話ではなく、浮く・当たる・届くの三つが同時に立つ大きさを選ぶ話になっています。