冷たい水は温泉ではない?
泉質と成分の誤解
冷たい水は、25℃未満でも温泉法別表の19物質の条件を満たせば温泉に当たります。
よく言われること
浴槽が温かければ温泉、蛇口から出る水が冷たければただの地下水、という分け方です。掲示の泉温と気温の欄に25℃を下回る数字を見つけると、温泉ではないのに温泉と名乗っていると読まれます。加温をしている浴室では源泉の温度が湯からは分からないので、温度の低い源泉ほど疑われ、この読み方が残りやすくなります。
実際
温泉法上の温泉は、地中からゆう出する温水・鉱水・水蒸気その他のガスのうち、別表の温度又は物質を有するものを指します(環境省の温泉の定義)。温度の条件は温泉源から採取されるときに25℃以上、物質の条件は別表の19項目のいずれか一つで、どちらか一方で足ります。療養泉の基準も温度と物質を並べた形なので、25℃に届かない源泉でも総硫黄2mg以上などの量があれば療養泉に入ります。
広まった経緯
「温泉」という語が二か所で使われていることが下地にあります。ひとつは温泉法上の温泉に当たるかどうかの判定、もうひとつは泉温の区分名で、こちらの温泉は34℃以上42℃未満だけを指し、25℃未満が冷鉱泉、その上の段が低温泉です。同じ字が二重に出るため、温度の話と資格の話が重なって読まれ、冷たい源泉は名乗る資格が無いように見えます。
正しい言い方
温度と成分は別の入口で、どちらかを満たせば温泉法上の温泉と言い直せます。掲示では泉質名と泉温の欄を分けて読み、25℃未満の源泉なら冷鉱泉と併記されているかを見ます。療養泉の基準に届かない湯は泉質名が書かれず、「温泉法の温泉に該当する」とだけ記されます。温泉の成分等の掲示に出る泉温は源泉から採取したときの値なので、浴槽の湯の温かさから源泉の温度を測ることはできません。
出典
- 公的機関 環境省 温泉の定義
- 公的機関 神奈川県温泉地学研究所 温泉の定義(温泉を知ろう I-4-(1))
- 公的機関 神奈川県温泉地学研究所 泉質の判定(温泉を知ろう)
