両部鳥居
鳥居の形
両部鳥居は、二本の本柱それぞれの前後に、背の低い稚児柱を添えて貫でつないだ鳥居です。
形
二本の本柱それぞれの前後に、背の低い稚児柱を立てて貫でつないだ形です。脚は正面から二本、横から見ると四本になり、四脚鳥居という別名もここから来ています。「両部」の呼び名は、密教の金剛界と胎蔵界を指すとする説があります。稚児柱は本柱の半分ほどの高さで、根元は別の礎石に載ります。上部は明神鳥居と同じく笠木と島木が反ります。広島県廿日市市の厳島神社大鳥居、福井県敦賀市の気比神宮大鳥居が古くから知られた作例です。
見分けの決め手
正面ではなく横へ回り、脚を数えます。一本の本柱に短い柱が前後へ添えば両部鳥居です。稚児柱は本柱より細く低く、貫で本柱と結ばれて三角に近い骨組みを作ります。数える対象は本柱ではなく、地面に立つ柱の総数になります。山梨県山梨市の窪八幡神社鳥居は1535年の建立で、木造の作例として古い部類に入ります。上部の形は明神系と同じなので、笠木だけでは決まりません。
取り違えやすい相手
控柱のない明神系と、笠木の上に破風が乗る山王鳥居が近い相手です。横から脚を数え、次に頂部を見ます。滋賀県大津市の日吉大社の山王鳥居は脚が二本でも頂部に三角が乗るため、輪郭が似て見えます。脚の数と頂部とでは見る場所が上下に分かれるので、順に切り替えます。柱頭に輪をはさむ台輪鳥居とは決め手の場所が違い、両部は足元、台輪は柱の頭で見分けます。
立つ位置
参道の脇へ外れ、鳥居を真横から見ます。正面に立つと稚児柱が本柱に隠れ、四脚の構えが分かりません。柱の並びが前後に開いて見える角度まで回ると、貫のつなぎ方まで読めます。新潟県弥彦村の彌彦神社一之鳥居のように稚児柱が短い例では、遠目に明神鳥居と紛れます。海に立つ厳島神社大鳥居(1875年建立)は、潮が満ちれば柱の下が水面に隠れ、四脚の構えは上半分だけになります。
出典
- 資料・英語 JAANUS(コロンビア大学版) ryōbu torii 両部鳥居(JAANUS 日本建築・美術用語の英語辞典)
- 公的機関 文化庁 厳島神社大鳥居(文化遺産オンライン)
- 公的機関 文化庁 窪八幡神社鳥居(文化遺産オンライン)
- 公的機関 文化庁 気比神宮大鳥居(文化遺産オンライン)
