画像・音源の無断使用
権利とデータ
権利を確かめずに素材を使うこと
どんな手口?
制作物に使う写真、イラスト、音楽、書体の権利の確認を飛ばすことです。検索で出てきた画像や動画サイトで見つけた曲をそのまま使えば、著作権の侵害になり得ます。責任は作って納めた側にも及び、差し替えと損害の賠償を求められることがあります。使う前に確かめるだけで避けられる種類の事故です。
見分け方のサイン
出典を思い出せない素材が手元のデータに混じっている、「フリー素材」だった気がするという記憶頼み、規約を読まずに商用で使っている、クレジット表記の条件を確かめていない。人が写った写真は肖像権と写真の使用の問題も重なります。書体は本文用と見出し用で条件が違うこともあります。
こうなったらどうするか
素材ごとに入手元と利用条件を一覧で残すことです。商用利用と改変の可否、クレジットの要否を確かめ、規約を見た日付も控えます。納品時に使用素材の一覧を添えれば、後から問い合わせが来ても答えられます。判断がつかない素材は使わないのが、結局いちばん安上がりです。
相談先
著作権の一般的な考え方は、文化庁の解説や相談窓口が出発点になります。権利者から連絡が来た段階なら、自己判断で返答する前に法テラスから弁護士相談へつなぐのが安全です。発注者との責任の分担は著作権と納品物の権利の取り決め次第で、契約書に何も書かれていないことも珍しくありません。
解説動画: 著作権フリーの画像やイラスト素材を使うときに注意すべきポイント/弁護士中野秀俊のYouTube法律相談所
「フリー素材」でも安全ではない: 他人のサイトから画像を持ってくるのが著作権侵害になるのは分かりやすい。厄介なのは「著作権フリー」と書かれた画像のほうで、配布しているサイト自体が別の写真サイトから無断で集めていたという形がある。フリーだと信じて使った側が、本当の権利者から侵害を問われる立場になる。
知らなかったでは済まない: 刑事罰はわざと使った場合に限られるが、民事の損害賠償は過失でも責任を負う。「そんなつもりはなかった」では免れず、実際に賠償を求められたケースがあると解説している。表示を信じたことが免罪符にならないのがこの話の要点。
素材サイトの利用規約を読む: 素材サイトの規約には、載せているコンテンツについて正確性も権利を侵害しないことも保証しないという趣旨の条項が入っていることがある。この書き方を見つけたら注意がいる。使えたとしても第三者の権利を侵していないかは自分で確かめる前提で扱うことになる。
裁判で通らなかった言い分: サイトAで拾った画像が、実はサイトBから許可なく転載されたもので、Bから訴えられる形。「Aが大丈夫だと言っていたから使った」は通用しないという裁判例がある。権利関係が不明な著作物を使うこと自体が過失にあたる、という判断。
落とす前にできる確認: 完全に防ぐのは難しいが、画像検索にかけ、ほかのサイトでも出回っていないかを見る。あちこちで使われていたら一度立ち止まる。お金を払って買った素材なら過失がないと言える余地があるが、無料のフリー素材だと過失を問われやすい、とも述べている。