生成AIの出力を納品するときの注意

権利とデータ

AIの出力をそのまま渡す前の確認

どんな手口?

生成AIで作った文章や画像を、そのまま納品物にするときの話です。AIの利用を禁じる発注者もいて、後から分かると報酬の取り消しや契約の解除になり得ます。出力に事実の誤りや既存作品との類似が混じることもあり、確かめる責任は納めた側に残ります。早く作れる分、確認に時間を回すのが前提です。

見分け方のサイン

募集要項に「AI生成物は不可」と書かれている、納品後に出典や制作の過程を尋ねられる、検出ツールの結果を示される。逆に発注者がAIで早く安くを前提に単価を下げてくる場合もあり、どちらの向きでも条件の確認が要ります。契約書に何も書かれていないときこそ、先に聞いておく場面です。

こうなったらどうするか

使ったかどうかを受注の前に伝えるのがいちばん確実です。使うなら、そのサービスの商用利用と権利の扱いを規約で確かめ、事実関係は自分で裏を取り、画像は類似の有無を目で見ます。下書きに使い、仕上げは自分の手でという線引きが、いまのところ実務的です。評価されるのは出力ではなく完成物です。

相談先

AIの出力をどこまで自分の著作物と呼べるかは議論が続いている領域で、文化庁の資料や解説が入口になりますが、最新の見解を確かめてください。契約でAIを使ってよいかは業務委託契約の条項次第で、書かれていなければ発注者に直接確認します。争いになったときは法テラスから弁護士相談へつなげます。

解説動画: 生成AIの著作権問題 これで大体の事がわかる!玉木雄一郎が解説/たまきチャンネル

3つの段階に分けて考える: 生成AIと著作権の話を、話し手は学習・生成・利用の3段階に切って整理する。著作物をAIに読ませる入口、指示を出して何かが返ってくるところ、返ってきたものを売る出口。技術の広がりが速い分だけ問題も出てくるとして、段階ごとに残された課題を並べ、今後どこを明確にすべきかを説明する組み立てになっている。

学習は改正法で広く許される: 学習段階の論点は、著作物を読ませるときに元の権利者へ対価が要るのか。日本は2018年の著作権法改正で柔軟な利用ができるようになり、30条の4は思想や感情を自ら享受せず他人にも享受させない目的なら利用できるとする。ただし著作権者の利益を不当に害する場合は除くという但し書きがあり、その線引きが曖昧なのが1つ目の宿題だとする。

単純な指示に権利は生まれない: 生成段階。1+1と入れて2が返るような単純な指示の結果には、著作物としての権利は認められない。逆に創作的寄与と言える指示の出し方をしたなら、出てきたものは著作物と認められる。では何をもって創作的寄与とするのか——そこがまだ曖昧で、2つ目の宿題として残っていると言う。

似ているかと、まねたか: 利用段階は、誰かの作風をまねた画像を許可なく売った場合。判断は通常の著作権法と同じで、類似性と依拠性——似ているかと元をまねたか——の2点で見る。両方そろえば侵害になる。ただし生成AIでどこまで似ればアウトかは具体的な事例がまだ無く、今後確定させる必要があると話す。

対価が元へ戻る仕組み: 最後に個人的な構想として、ブロックチェーンやNFTの技術で生成物に電子的なタグを持たせ、元の著作物の要素がどれだけ入っているかに応じて元の作者にも対価が回る形を挙げる。技術は詳しくないと断ったうえで、ルールに基づいて適正に発展させることが必要だと締めくくる。