流れの基本の考え方
流れる量が保たれること、力と速さの関係の入口。
問いを一つ立てたら、答えを探すための道具が要る。流れの図鑑がいちばん最初に使う道具は、量が保たれるという考え方である。CrashCourseの物理解説は、縮まない流体が流れる管のどの断面を切っても、単位時間に通る質量はどこも等しいと説明する。これは質量保存を一本の管に当てはめた形で、連続の式と呼ばれる。同じ量を同じ時間で通すには、断面が細い場所ほど速さが上がらなければならない。ホースの先を指でふさいだときに水が勢いよく飛ぶのも、この釣り合いの一場面である。
速さが変わった先では、もう一つ意外なことが起きている。The Efficient Engineerの解説は、管の壁を押す力(圧力)が、流れが速い場所ほど小さくなると説明する。流れが速い場所ほど壁を押す力が弱まる関係はベルヌーイの効果と呼ばれる。NASAグレン研究センターの解説は、速さの分布と圧力の分布は同じ保存則から一緒に決まるもので、どちらが原因でどちらが結果とは言えないとしている。押しているのは常に圧力とは何かが指す、面を垂直に押す力そのもので、速くなった場所が周りを吸い込んでいるわけではない。圧力そのものの大きさではなく、周りとの差がどちらを向くかを数えることが、この関係を読み解く最初の一歩になる。
この釣り合いを逆手に取ると、速さを測る道具になる。ピトー管の原理は、流れを一点でせき止めて測った圧力と、動圧と静圧の差から速さを逆算する。管を一度細くしてから広げ直す道具は、細い部分で圧力が下がる大きさから通る量を求める流量計になる。どちらも、量が保たれるという関係と、速さと圧力が同じ出来事の二つの目盛りだという関係を、そのまま測定に使っている。
ここまでの二つの考え方——量が保たれること、速さと圧力が同時に動くこと——は、次に見分ける層流と乱流のどちらにも持ち越せる土台になる。先にこの二つを持っておくと、速さが変わった理由を圧力だけで、あるいは圧力が変わった理由を速さだけで説明してしまう早合点を防げる。
