畑で作るより少ない水で済む?
畑で作るより少ない水で済むというのは、複数の測定で向きが一致している説です。
判定
測って確かめられている
言われていること
「土の畑に比べて、ずっと少ない水で育つ」という説明が、噴霧栽培の紹介のはじめに置かれます。根を閉じた箱の中に入れ、落ちた液を受けて回すので、地面へのしみ込みと畝からの蒸発で失う分が無いという理屈です。数字は水の使用量が土耕の98%減る?のように大きく振れ、比べた相手は書かれないままです。
測った人・対象・方法
柱は Barbosa ら 2015(Int. J. Environ. Res. Public Health 12(6):6879、CC BY)です。米アリゾナ州ユマのレタスで、水耕は20±3.8 L/kg/年、露地は250±25 L/kg/年、収量は41±6.1 対 3.9±0.21 kg/m²/年。ただし圃場の実測ではなく、公開値を工学式に入れて解いたモデルの比較で、水耕は年12作、露地は年1作という前提です。
測った結果
噴霧そのものでは、Regmi ら 2024 のレビューがレタスで集めた水利用効率は、水1m³あたりの生重量で3.02〜142.91 kgでした。1kg採るのに7〜331 Lにあたり、いちばん低い報告は露地の250 L/kg を上回ります。更新して捨てた養液を数に入れるかどうかで桁が動くためで、更新と廃液の扱いを見ないと並べられません。
正しい言い方
少ない側だという向きまでは言えます。ただし比べた相手・作物・何あたりかを書いた組でしか値になりません。露地側の数字も一つではなく、米アリゾナ大学の農業普及部門の資料では、同じユマ地域のレタスでも、報告される灌水量は12〜50インチ/エーカーと2〜4倍ほど開き、実際に畑へ引く水は、作物が使う分を灌漑効率(畦灌漑で6割ほど)で割った量で、ここでも桁が動くと説明されています。同じ比較で電気は逆に増えるので、水が減るぶん電気を多く使う?と合わせて読みます。
出典
- 論文・英語 Barbosa GL, Gadelha FD, Kublik N, Proctor A, Reichelm L, Weissinger E, Wohlleb GM, Halden RU(2015) Comparison of Land, Water, and Energy Requirements of Lettuce Grown Using Hydroponic vs. Conventional Agricultural Methods
- 論文・英語 Regmi A, Rueda-Kunz D, Liu H, Trevino JE, Kathi S, Simpson C(2024) Comparing resource use efficiencies in hydroponic and aeroponic production systems
- 公的機関・英語 Mohammed AT (University of Arizona Cooperative Extension)(2025) Estimating Crop Evapotranspiration Using Lettuce Crop Coefficients for Irrigation Scheduling in Yuma, Arizona
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