着氷性の雨

雨として降るもの

着氷性の雨は、0℃より低温の雨で、落ちている間は液体のまま、当たった先で凍ります。

粒の特徴(大きさ・色・透け方)

落ちている間は液体のままの雨粒です。気象庁『気象観測の手引き』は「0℃より低温の雨」と定義し、括弧で過冷却の雨と言い換えています。同書は別の章で、水が0℃以下でも凍らないでいる状態を過冷却と呼ぶと説明しています。粒の直径も透け方も普通の雨と変わらないので、落ちてくる姿だけでは見分けがつきません。英国気象庁は、雨粒が十分速く落ち、冷たい空気の層が薄いときに液体のまま地表近くまで届くと説明しています。

見分けの決め手(はずむか・つぶれるか・音)

当たった先が凍るかどうかが決め手です。手引きは、この雨が地面や地物、飛行中の航空機に当たって着氷を起こすとし、その着氷を水と0℃の氷の混在と書いています。落ちる音は雨のままで、はずみもしません。取り違えの多い凍雨は落ちてくる時点ですでに固い氷の粒で、同書によれば堅い地面に当たるとはずみ、音をたてるほうです。音がしたならこちらではなく、当たっても音を立てないまま面が凍っていくのが着氷性の雨です。

できる場所と気温

地面近くだけが0℃を下回っている場面で降ります。手引きの雨氷の項は、過冷却した霧雨又は雨が0℃以下、又は0℃よりわずかに高い温度の地面や地物に当たって凍結したものと書いており、凍る側の温度まで条件に入っています。米国気象局(NWS)バージニア州ブラックスバーグ予報所は、上空の暖気層で雪がいったん完全に雨へ融け、その下の凍雨よりも薄い凍結層を通るぶん、地面に届くまで凍る時間がないと解説しています。

気象庁の定義での境目

大気現象の表では「0℃より低温の雨」という一行だけが境目で、粒の大きさも降り方も条件に入りません。凍雨との線は凍る場所にあり、あちらは落下の途中で凍った透明の氷の粒、こちらは当たってから凍る液体です。着氷性の霧雨との線は粒の直径で、0.5mmがその境になります。同じ表の雨氷は、この雨が地物の上に作る氷のほうに与えられた名前です。英国気象庁によれば、この現象は英国では稀でも、北米の冬によく見られます。

出典

  1. 公的機関・英語 米国気象局(NWS)バージニア州ブラックスバーグ予報所 Freezing Rain and Sleet
  2. 動画・英語 Met Office(英国気象庁) What is freezing rain? - Met Office explains - UK Weather