かなとこ雲は恐ろしい
雲の言い伝え
「かなとこ雲は恐ろしい」は、頭が平らな積乱雲を、天井に届いた印と見る言い伝えです。
言われていること
海上保安庁 留萌海上保安部は、全国共通のことわざの欄に「かなとこ雲は恐ろしい」をそのままの形で載せ、雷・ひょう・風を伴うので注意を要すと添えています。名前は鍛冶屋が使う金床から来ており、上が平らに張り出した輪郭をその道具の形に見立てたものです。雲のかたち図鑑ではかなとこ雲として扱う形です。WMO の雲図帳(incus)と米国気象局の用語集(anvil)は、どちらも積乱雲の上部が広がったものとして定義しています。
空で実際に起きていること
積乱雲は、気象庁によると高さ10kmを超える雲で、頂が対流圏と成層圏の境目にあたる対流圏界面へ達すると、そこから上は気温が下がらないため上昇する空気が浮力を失い、行き場のなくなった雲は風下へ平らに広がります。気象庁『気象観測の手引き』は雲の状態を分けるとき、CL-9 を雲頂が巻雲状で多くはかなとこ状を呈している積乱雲、CH-3 を積乱雲から生じたかなとこ状の巻雲としており、平らな頭は氷の粒でできた雲にあたります。
当たる範囲と外れる条件
形と成り立ちの対応という点では外れにくく、かなとこが見えている雲は、頂が界面に届くほど育った積乱雲です。頭がまだ丸く盛り上がっている段階は雄大雲と呼ばれ、平らになったかどうかが段階の分かれ目になります。気をつけるのは距離で、高い頂は遠くからも見えます。頂が見えている状態と、その雲の真下にいる状態は別です。NOAA の解説動画(SciJinks)は、嵐が終わると青空とかなとこ形の雲頂だけが残ると話しています。
言い伝えが見ている雲・現象
向き合っているのは、積乱雲の頂が天井へ押し当てられた段階です。危険は同じ雲の下で、急な大雨・雷・ひょう・突風・竜巻として地上に出ます。気象庁は、近づくサインに真っ黒い雲・雷の音・急に冷たい風を挙げています。TBSの映像では、かなとこ雲の真下に着いた取材班が約10分で横殴りの雨に遭いました。この図鑑の受け持ちは、気象庁の注意報・警報と実況の情報で確かめるところまでです。
出典
- 公的機関・英語 WMO 国際雲図帳(世界気象機関) Incus
- 公的機関・英語 NOAA 米国気象局(NWS) Glossary: Anvil
- 公的機関 気象庁 積乱雲って どんな雲?(急な大雨や雷・竜巻から身を守るために)
- 公的機関 気象庁 急な大雨や雷・竜巻から身を守るために ~積乱雲が近づくサインを見逃さない~
- 公的機関 気象庁 急な大雨や雷・竜巻から身を守るために
- 動画・英語 NOAA SciJinks What Causes a Thunderstorm?
- 動画 TBS NEWS DIG Powered by JNN ゲリラ雷雨から身を守る“危険な雲のサイン”とは?【Nスタ・それスタ】|TBS NEWS DIG
