フラッシュを焚く
近づく・触る
フラッシュを焚くのは、ストロボも強力なLEDライトも含めて、撮る側がやめる線です。
行為の中身
ストロボやスピードライトを鳥に向けて発光させる行為です。夜の鳥をライトで照らして探すこと、ねぐらに入った群れに光を当てて起こすことも同じ枠に入ります。撮影機材だけの話ではなく、オートフォーカスの補助光や、携帯電話の撮影用ライトのように、こちらが出したつもりのない光も含みます。暗い場所でカメラを構えた時点で、機材の初期設定が光る側になっていないかを見ておくところです。
法や指針での位置づけ
罰則のある禁止ではありません。鳥獣保護管理法第8条が禁じるのは捕獲等と鳥類の卵の採取等で、光を当てただけでは条文に届かず、軒先の巣を落とすのような法の話とは層が違います。線を引いているのは日本野鳥の会のガイドラインⅠ⑤で、「フラッシュやストロボを使用して撮影をするのはやめましょう」に続けて「強力なLEDライト等の使用も同様です」と書かれています。止める力を持つのは撮る側だけという項目です。
問題になる理由
暗い場所では、鳥の目も人と同じように暗さに合わせて開いています。そこへ発光が入れば、飛び立った先が枝や壁でも、暗い中では避けきれません。LEDの明かりは人に連続して見えても明滅していて、見分ける速さは人より鳥が上です(家禽の照明を調べたRaabeら・2023)。同会のガイドラインⅠ①は、飛び立つ・逃げる行動をストレスの表れに並べています。ねぐらでの発光は群れごと動かすので、一人の一回がその場の全羽に及びます。
代わりの行動
光を足さず、明るい時間のほうへ予定を寄せるのが代わりの手です。暗い場所ではISO感度を上げて撮ります(日本野鳥の会)。夜明け前から構えるときは、ISO1万以上まで上げて撮る手もあります(Sonia Rampling)。機材の側では補助光を切ります。手でピントを合わせる間は光りません(ニコン)。夜に確かめたいなら、ムクドリのねぐらの声のように光を当てずに声から種へたどる道が残っています。
相談する窓口
撮影地でのふるまいは、その場所の管理者が決めます。都市公園なら公園管理事務所、河川敷なら河川管理者に、三脚や照明の扱いを聞けます。撮影の届け出を求める河川事務所もあり、日没以降は原則として認めていません(国土交通省の河川事務所)。作法を学びたいなら、日本野鳥の会の支部が開く探鳥会に機材の設定まで含めて教わる場があります。光を当てている人を見かけたら、直接止めに入るより管理者や主催者に伝えるほうが収まります。
出典
- 論文・英語 Jessica Raabe ほか/Poultry Science(2023) Research Note: Irritating flashing light or poultry-friendly lighting—are flicker frequencies of LED luminaires a potential stress factor in the husbandry of male fattening turkeys?
- 資料 公益財団法人 日本野鳥の会 野鳥観察・撮影の初心者の方に向けた、マナーのガイドライン
- 資料 日本野鳥の会(Bird Fan) 野鳥撮影マナー
- 公的機関 国土交通省 関東地方整備局 荒川下流河川事務所 撮影について
- 公的機関 国土交通省 関東地方整備局 利根川下流河川事務所 制限されている行為と自由な利用
- 動画・英語 Sonia Rampling(YouTube チャンネル) The ABSOLUTE BEST Way to Capture Stunning Bird Photos
- 資料 ニコンイメージングジャパン(カメラメーカーの解説) シャッターボタンを半押ししたときに点く「緑の光」は必要?消せる?
