まちの木と植え込み図鑑
イチョウ(街路樹)
イチョウは、扇形の葉が一枚落ちていれば決まる、街路樹でいちばん本数の多い高木です。手がかりは足もとにあります。先が広がる扇形の葉を拾って光に透かすと、一本の脈が二又に分かれる形が先端まで繰り返されるのが見えます。同じ形の葉をつける街路樹はほかにありません。幹は灰色で縦の割れが浅く走り…
ソメイヨシノ(街路樹)
ソメイヨシノは、花だけが先に開き、葉は花が散ったあとに出る接ぎ木の栽培品種です。花の時期の手がかりは、枝が花だけで埋まり、葉が一枚も見えないことです。咲きはじめは淡い紅で、満開に近づくほど白く見え、開ききると重みで枝先が下を向きます。接ぎ木でふやされた同じ性質の木が並ぶため、並木がほぼ同じ日に咲き、同じ日に散ります。…
ケヤキ(街路樹)
ケヤキは、冬に葉を落とすと、枝先が箒を逆さにした形に広がって、遠くから分かります。遠くからでも、根もとから扇のように広がる箒を逆さにした形で見当がつきます。近づいて幹を見ると、若いうちは灰白色でなめらか、太るにつれて雲の形をした薄片がはがれ、跡が明るい斑になります。『わが国の街路樹Ⅸ』(国土技術政策総合研究所…
ハナミズキ(街路樹)
ハナミズキは、花に見える白や紅の4枚が花びらではなく、総苞と呼ばれる葉の変形です。花に見える4枚は苞という葉の変形で、先が浅くくぼみ、小さな切れ込みが残ります。中心の直径5mmほどの黄緑色の粒の集まりが本当の花で、数十個が固まって咲きます。枝は水平に段を作って伸び、横から見ると花が上を向いて平らに並びます。…
トウカエデ(街路樹)
トウカエデは、葉の先が浅く三つに分かれ、ふちにぎざぎざが並ばない中国原産の木です。三つに浅く裂けた葉と短冊のように縦へめくれる樹皮の二つで決まります。葉のふちは鋸歯がほとんどなく、なめらかな線を描き、裂けた三枚は先を前へ揃えます。幹は灰褐色で、薄い皮が縦長にはがれて垂れ、下から橙色を帯びた肌が出ます。…
クスノキ(街路樹)
クスノキは、葉をもむと樟脳の匂いが立ち、三本に分かれる葉脈も手がかりになります。常緑なので一年じゅう同じ手がかりが使えます。落ちた葉を一枚もむと樟脳の匂いが立ち、これだけで見当がつきます。光に透かすと根もとから三本に分かれる脈が見え、その分かれ目に直径1mmほどの丸いふくらみが左右一対あります。…
イロハモミジ(街路樹)
イロハモミジは、掌の形に5〜7枚へ裂ける葉で、ふちのぎざぎざが細かく不揃いです。葉は手のひらのように5〜7枚へ深く裂け、切れ込みは中心の近くまで届きます。決め手はふちで、鋸歯が細かく、大きさも間隔も揃わずに欠けて見えます。葉の幅は4〜7cmほどと小ぶりで、色づく前から先が赤みを帯びる枝もあります。…
ナナカマド(街路樹)
ナナカマドは、赤い実の房が葉の落ちたあとも枝に残る、北海道に多く植わる街路樹です。手がかりは、小さな葉が軸の左右に並んで一枚の葉のように見えることです。先端に一枚が残り、小葉の数は奇数になります。秋から冬は枝先に上を向いてつく赤い実の房が目印です。…
モミジバフウ(街路樹)
モミジバフウは、葉はカエデに似ていても、互い違いに出る付き方で見分けがつきます。枝先を一本つまんで、葉が向き合っているかだけを見ます。モミジバフウの葉は一枚ずつ互い違いに出る互生で、同じ高さに二枚が向き合うカエデ類とはここで分かれます(葉序)。裂片の数や切れ込みの深さは同じ木でもばらつき、決め手になりません。…
クロガネモチ(街路樹)
クロガネモチは、若い枝と葉柄が黒みを帯びた紫に染まり、冬に小さな赤い実をつけます。一年中効く手がかりは若枝と葉柄の紫色です。葉の面ではなく、葉が枝につながる細い柄を見ると、黒みを帯びた紫に染まっています(葉柄)。名の「黒鉄」もこの色に由来します。葉は厚く光沢があり、縁に鋸歯のない全縁です。…
シラカシ(街路樹)
シラカシは、名前は白でも幹は黒っぽく見え、白いのは樹皮ではなく材の色のことです。名前と見た目のずれを先に片づけます。白いのは材の色で、樹皮は黒っぽい灰緑色です。見分けは葉の形と縁で、長さ7〜12cm、幅2〜3cmの細長い葉に、浅く細かい鋸歯が縁の広い範囲まで続きます(鋸歯)。葉を一枚とり…
マテバシイ(街路樹)
マテバシイは、厚くて大きい葉に鋸歯が一つもなく、縁はゆるく波打つだけの常緑樹です。葉のふちを指でなぞって、ぎざぎざが無いことを確かめます。マテバシイの葉は長さ10〜20cmと大きく、厚く硬く、鋸歯がまったく無い全縁で、縁がゆるく波打ちます。枝先に葉が集まるため、枝の先だけが濃く茂り、内側が空く樹形になります。…
モミジバスズカケノキ(街路樹)
モミジバスズカケノキは、街路のプラタナスの多くを占める、二種の交雑でできた木です。幹を見れば済みます。樹皮が板状に剥がれて白・淡緑・褐色のまだらになり、迷彩のような模様が遠目でも読めます(樹皮の裂け方)。もう一つは実で、直径3cm前後の球形が細い柄に一つか二つぶら下がります。…
ナンキンハゼ(街路樹)
ナンキンハゼは、先の尖った菱形の葉を持ち、秋に殻が割れると白い種子が枝に残ります。菱形に近い葉が互い違いにつくところで決まります。葉先が尾のように細く伸び、縁に鋸歯がありません(葉序)。長い葉柄で葉が水平に下がり、風でよく回ります。秋の終わりには黒く熟した殻が三つに割れ、直径7〜8mmの白い種子が枝に残るので…
シダレヤナギ(街路樹)
シダレヤナギは、真下に垂れる細い枝が目印で、春の芽吹きも街路樹の中では早い木です。枝がまっすぐ真下に垂れる姿で決まります。細い枝が1〜3mも垂れ、風が吹くと全体が同じ向きに流れます。もう一つは早さで、関東では3月上旬から芽吹き、伏せてついた冬芽が一斉にほどけます(冬芽)。全国調査ではヤナギ類が10万5134本で…
ユリノキ(街路樹)
ユリノキは、半纏に似た葉の先が四角く切り落としたような形で、ほかに例がありません。葉だけで決まります。先端が浅くくぼんで水平に切れた形で、両側に一対の裂片が張り出し、長さ10〜15cmあります(葉の切れ込み)。この形の街路樹が他にないので、落ち葉一枚で足ります。別名のハンテンボクは半纏に…
コブシ(街路樹)
コブシは、3月に葉より先へ咲く白い花の真下に、小さな葉が一枚だけ立つ落葉樹です。3月から4月にかけて、葉の出ていない枝に白い花だけが並びます。決め手は花のすぐ下にあり、花柄の途中に指先ほどの葉が1枚だけ付きます。花弁に見える内側の6枚は幅が狭く、開くほど後ろへ反り返って、花の向きも上下にそろいません。…
ヤマモモ(街路樹)
ヤマモモは、6月に舗装を赤紫に汚す実をつけ、厚く細長い常緑の葉が枝先に集まります。厚く細長い葉が枝先にだけ集まり、枝の下側は葉の無いまま残ります。株全体は丸く整って見え、冬も葉の色が落ちません。葉は濃い緑でつやがあり、裏に散る黄色い小さな腺点はハンドルーペで粒として見えます。根に付く放線菌の根粒から窒素を得るため…
サルスベリ(街路樹)
サルスベリは、葉の落ちた冬でも、薄い皮が剥がれてまだらに残る幹だけで決まります。節くれと剥がれ跡を残しながら、全体がなめらかな幹です。剥がれたばかりの面は明るい灰白色、古い面は褐色で、一本の幹に二色がまだらに並びます。薄片がめくれる型は樹皮の裂け方の一つで、縦に深く裂ける木とは手触りから違います。…
ヤマボウシ(街路樹)
ヤマボウシは、白い四枚の先が細くとがり、緑の葉の上に十字の形が浮かんで見えます。白い十字に見える4枚は花弁ではなく、花の集まりを囲む苞です。その先が細くとがって伸びるのがヤマボウシで、中心には直径1cmほどの小花が20〜30集まり、球状の花序を作ります。葉が出そろってから咲くため、白は緑の上に載ります。…
トチノキ(街路樹)
トチノキは、手のひらを開いたような大きな葉が、枝先に何枚もまとまってつく木です。街路樹の中でも葉一枚が大きく、遠目に葉の粒が粗く見える木です。長さ20〜35cmの小葉が5〜7枚、柄の先の一点から放射状に開いて一枚の葉を作ります(単葉と複葉)。葉は枝に対生し、枝先に集まるため、枝の先ごとに大きな葉の輪ができます。…
メタセコイア(街路樹)
メタセコイアは、針葉樹なのに秋にはレンガ色になって落ちる、中国で見つかった木です。幹がまっすぐ立ち、細い枝が円錐形に整う姿で並びます。近づくと小枝と葉が左右きれいに向かい合って付くのが分かり、葉序でいう対生がこの木の決め手になります。根元は深くくびれて板のように張り出し、幹の下だけが太って見えます。…
ハクモクレン(公園と庭の木)
ハクモクレンは、3月に咲く花がどれも上を向いたまま、最後まで開ききらない木です。花がすべて上を向き、閉じ気味の杯の形のまま咲きます。花被片は9枚で、内も外もほぼ同じ厚みと幅を持ち、開ききらないので遠目には白い蝋燭が枝先に並んで見えます。花の下に葉を伴わないことがコブシとの分かれ目で、枝には花だけが付きます。…
ヤマザクラ(公園と庭の木)
ヤマザクラは、花と赤褐色の若葉が同じ日に開き、木ごとに花の色も咲く日もずれます。花と若葉が同時に開き、その若葉が赤褐色から褐色を帯びるため、遠目には白とえび茶がまだらに混じって見えます。同じ斜面でも花の色は白から淡紅までばらつき、咲く日も数日ずれます。一本ずつ姿が違うこと自体が手がかりで…
カツラ(公園と庭の木)
カツラは、ハート形の葉が向かい合ってつき、秋の落ち葉から甘い香りが立ち上がります。枝の同じ高さから、葉が2枚ずつ向かい合って出ます。この対生という付き方の広葉樹は街に少なく、葉序を見るだけで候補がかなり絞れます。葉は先のとがらない円いハート形で、ふちには波打つ丸い鋸歯が並びます。…
エノキ(公園と庭の木)
エノキは、葉の先半分にだけ鋸歯が出て、基部から3本の脈が立ち上がる公園の木です。まず葉のふちを、根元から先へ指でたどります。鋸歯が先半分にしか現れず、基部側はなめらかなら、エノキの可能性が高くなります。加えて基部から3本の脈が扇形に立ち上がる三行脈が見えれば、ほぼ決まります。街道の一里塚や社寺の境内に大木が残るのは…
ムクノキ(公園と庭の木)
ムクノキは、葉に触れると、指先がやすりに当たったようにざらつく手ざわりがあります。見分けの起点は目ではなく指です。葉の表を軽くなでると紙やすりのようなざらつきが返ります。葉の毛に珪酸がたまるためで、街の落葉高木では他にまず出ません。国土技術政策総合研究所「わが国の街路樹」の上位樹種には現れませんが…
クロマツ(公園と庭の木)
クロマツは、葉が2本一組で硬く、握ると手のひらが痛み、黒く厚い樹皮を持つ松です。マツの仲間かどうかは、葉の束で決まります。針状の葉が2本ずつ組になって出るのが二葉松で、クロマツとアカマツがこれにあたります。分けるのは硬さと色で、クロマツの葉は太く硬く、軽く握ると先が手のひらに刺さります。…
ヒマラヤスギ(公園と庭の木)
ヒマラヤスギは、名にスギとつきますが、円錐形の樹形で見分けられるマツ科の木です。最初に整理するのは名前です。ヒマラヤスギはマツ科ヒマラヤスギ属で、ヒノキ科のスギとは別の系統にあたります。姿は遠目で決まり、幹がまっすぐ立ち、枝が水平に張って先が垂れる円錐形は、街の針葉樹では他に代わりがありません。…
ラクウショウ(公園と庭の木)
ラクウショウは、根元のまわりの地面から、膝のような気根が何本も立ち上がる木です。水辺の公園では、足元を見ると答えが出ます。池や湿った地面に近い株では根の一部が地上へ立ち上がる気根が幹のまわりに並び、高いものは人の膝ほどになります。この姿を見せる街の木は他になく、葉より先に地面を見るほうが早く決まります。…
スダジイ(公園と庭の木)
スダジイは、太った幹が縦に深く裂け、葉裏が金褐色を帯びる、常緑のドングリの木です。幹を見上げるところから始めます。太った幹に縦の深い裂け目が何本も走るのがスダジイで、同じシイの仲間でも裂けない木があるため、ここが最初の分かれ道になります。葉は常緑で厚く、裏返すと光の角度で金褐色に光る鱗片が見えます。…
タブノキ(公園と庭の木)
タブノキは、春先に枝先の太い冬芽が開いて、赤い新芽が立ち上がるクスノキ科の木です。3月から4月の枝先が決め手になります。親指の先ほどに膨らんだ冬芽がほどけ、赤みを帯びた新芽と花序が一緒に立ち上がるため、常緑の樹冠に赤い房が点々と浮かびます。冬芽の大きさは冬のうちから目立ち、葉のない季節でも見当がつきます。…
アラカシ(公園と庭の木)
アラカシは、葉の上半分にだけ粗い鋸歯が出て、下半分の縁がなめらかな常緑のカシです。枝先の葉を1枚とって縁を指でたどると、先の半分だけに粗い鋸歯が数個並び、つけ根側はなめらかです。この上下の差が、常緑のカシ類を分ける最初の手がかりになります。葉は革のように厚く、表は濃い緑で光り、冬も落ちません。…
エゴノキ(公園と庭の木)
エゴノキは、5月に白い花が長い柄で下を向いて咲き、そのあと卵形の実が下がる木です。見上げるより、木の下に入って上を向くほうが早く分かります。5月の枝は長さ2〜3cmの細い柄で花がすべて下を向き、白い5弁が並びます。花の数が多く、満開の木は下から見ると天井が白くなります。散ったあとの地面も手がかりで…
ネムノキ(公園と庭の木)
ネムノキは、暗くなると小葉が左右から合わさって閉じ、その動きが名前になった木です。葉が二回羽状複葉で、細長い小葉が羽根のように並びます。1枚の葉につく小葉が数百枚になることもあり、遠目には葉というより霞のように見えます。日が落ちると小葉が左右から合わさって閉じ、朝にまた開きます。マメ科で痩せた土地でも育つため…
ハゼノキ(公園と庭の木)
ハゼノキは、秋に赤く色づく羽状複葉を持ち、ウルシ科のため素手では近づかない木です。秋にひときわ赤くなる奇数羽状複葉の木です。小葉は4〜6対、縁に鋸歯がなくて先が細くとがり、葉軸や若い枝が赤みを帯びます。幹は細く、根元から数本に分かれて立つこともあります。植えられた公園や庭のほかに…
シマトネリコ(公園と庭の木)
シマトネリコは、羽状複葉なのに冬も葉が落ちず、この組み合わせで候補が絞れる木です。奇数羽状複葉なのに常緑という組み合わせが決め手です。小葉は2〜7対で表に光沢があり、縁は浅く波打ちます。細い幹が数本立つ株立ちで植えられることが多く、小葉が風でよく揺れるので遠目にも動きで気づきます。…
キンモクセイ(公園と庭の木)
キンモクセイは、秋にオレンジ色の花が葉のつけ根に固まって咲き、匂いが先に届く木です。この木だけは目より先に鼻で見つかります。9月下旬から10月、オレンジ色の小花が葉のつけ根に固まって咲き、香りが風下へ流れます。匂いに気づいたら足を止め、垣根や塀の高さでオレンジ色の粒を探すのが早道です。花は葉のかげに隠れがちで…
ユズリハ(公園と庭の木)
ユズリハは、葉柄の赤い大きな葉が枝先に集まり、新旧の葉の交代が名前になった木です。枝先だけに葉が集まり、その葉柄が赤く染まるのが決め手です。葉は長さ15〜20cmと大きく、傘の骨のように放射状に並びます。冬も緑を保ち、12月から2月は葉柄の赤がいちばん濃く見えます。葉が上を向いてつくので…
ヤブツバキ(公園と庭の木)
ヤブツバキは、花びらの根元が雄しべの筒とつながり、花が丸ごとぽとりと落ちる木です。手がかりは木の下にあります。花が花びらごと丸ごと落ち、地面に赤いままの花が並びます。花は12月から3月、赤い5弁が半開きに開き、中心の雄しべが根元でまとまって筒になります。花びらの根元がこの筒とつながるため、ばらばらにならずに落ちます。…
ヒラドツツジ(生垣と刈り込み)
ヒラドツツジは、街の植え込みでいちばん見かける、直径6cm超の大きな花のツツジです。花の直径をはかることが最初の手がかりです。ヒラドツツジは直径6cmを超える漏斗形の花を枝先に並べ、植え込みに使われるツツジ類の中では花が最も大きい部類に入ります。葉も長さ5〜10cmと大きく、枝先に集まって放射状に開きます。…
サツキ(生垣と刈り込み)
サツキは、ヒラドツツジが散ったあとの5月下旬から咲き始める、小ぶりな花のツツジです。咲く時期が、いちばん確かな決め手です。同じ植え込みに並ぶヒラドツツジが5月上旬に散ったあと、5月下旬から6月にかけて開き始めます。花は直径3〜5cmと小ぶりで、朱赤や紅紫のものが多く、枝先の葉のあいだに埋もれるように咲きます。…
シャリンバイ(生垣と刈り込み)
シャリンバイは、枝先の葉が車輪の輻のように放射状に並び、道路際に多く植わる木です。真上から枝先をのぞくと決まります。葉が一点から放射状に出て、車輪の輻のように並ぶ姿がそのまま名の由来で、円い輪に見えます。葉は長さ4〜8cmの厚い革質で、縁が裏側へゆるく反り返るため、日が当たると縁だけ白く光ります。…
ハナゾノツクバネウツギ(生垣と刈り込み)
ハナゾノツクバネウツギは、アベリアの名で通り、初夏から秋まで白い筒の花が続く木です。咲いている期間の長さがそのまま決め手です。6月から10月まで、白か淡紅の長さ2cmほどの筒形の花を次々に開くので、ほかの植え込みが咲かない真夏に花が残っている生垣はまずこれにあたります。枝は細く弓なりに垂れ…
サザンカ(生垣と刈り込み)
サザンカは、花びらが1枚ずつばらばらに散り、刈り込まれた生垣でよく見かける木です。散った花の落ち方を、木の下で見ます。花びらが1枚ずつばらばらに散るのがサザンカで、下には花びらの敷きものができます。咲く時期も手がかりで、10月から12月と、ほかの木が花を終えたあとに開きます。花は径5〜7cm、原種は白…
ドウダンツツジ(生垣と刈り込み)
ドウダンツツジは、冬に葉を落として枝だけになる、街ではめずらしい落葉の生垣です。冬に葉があるかどうかが最短の道です。12月から3月に枝だけになっている刈り込みは、常緑ばかりの街ではまずこの木です。葉が無い時期は枝の分かれ方も効き、節ごとに細い枝が3本前後に開きます。…
セイヨウツゲ(生垣と刈り込み)
セイヨウツゲは、小さな厚い葉が向かい合って付く、街の刈り込み玉に多い常緑の木です。葉の付き方をひとつだけ見ます。枝の同じ高さから葉が2枚ずつ向かい合って出る対生ならセイヨウツゲ、互い違いならイヌツゲです(葉序)。葉は長さ1.5〜3cmの倒卵形で厚く、先端がわずかにへこむものが多くあります。若い枝は緑色で角ばり…
イヌツゲ(生垣と刈り込み)
イヌツゲは、ツゲの名で呼ばれますがモチノキ科の木で、小さな葉が互い違いに付きます。葉が枝に互い違いに付く互生ならこちらです(葉序)。向かい合って付くセイヨウツゲと、この一点で分かれます。名前はツゲでもモチノキ科モチノキ属で、冬に赤い実を付けるクロガネモチと同じ属です。葉は長さ1〜3cmの楕円形で厚く…
ハマヒサカキ(生垣と刈り込み)
ハマヒサカキは、晩秋から冬に咲く小さな花の強い匂いで、姿より先に気づく生垣の木です。歩道の植え込みから都市ガスにたとえられる強い匂いが流れてきたら、まずこの木が疑われます。匂いの出どころは11月から翌年1月ごろに咲く花で、径3〜4ミリと小さく、色も淡いため姿では気づきにくい木です。葉は長さ1〜3センチしかなく…
トベラ(生垣と刈り込み)
トベラは、枝を折ると匂いが立ち、厚い葉の縁が裏へ強く巻いて枝先に集まる生垣の木です。葉の縁が裏へくるりと巻くことと、枝や葉を傷つけると立つ独特の匂いが決め手です。葉は長さ4〜10センチの倒卵形で厚く、表は濃い緑に光り、枝先に放射状に集まって付くため、枝の先が花束のように見えます。…
ウバメガシ(生垣と刈り込み)
ウバメガシは、カシの仲間なのに、先の丸い小さな厚い葉が枝に隙間なく詰まる木です。小さく厚い葉が枝に詰まって付くことが手がかりです。葉は長さ2〜4センチと、ほかのカシ類の半分ほどしかなく、先の丸い倒卵形で細長くありません。全体は濃い緑の塊に見え、刈るほど密になります。国総研「わが国の街路樹Ⅸ」では中低木13位130万本…
セイヨウベニカナメモチ(生垣と刈り込み)
セイヨウベニカナメモチは、刈り込むたびに新芽が赤く吹き出す、赤い生垣の代表の木です。刈ったあとに出る新芽が赤いことで見分けます。赤いのは新しい葉だけで、数週間から一か月ほどで緑に変わり、また刈れば赤い芽が吹きます。葉は長さ6〜10センチの倒卵状長楕円形で厚く、光沢があります。カナメモチとオオカナメモチの交雑種で…
カイヅカイブキ(生垣と刈り込み)
カイヅカイブキは、枝が炎のように渦を巻いて立ち上がる、うろこ状の葉の常緑の木です。炎がねじれるように立ち上がる枝が目印です。葉はうろこ状の鱗片葉が枝に密着し、枝そのものが緑の紐のように見えます。イブキの園芸品種で、国総研「わが国の街路樹Ⅸ」では中低木41位24万本、高木でも29位5万1879本。…
キョウチクトウ(生垣と刈り込み)
キョウチクトウは、細長い葉が三枚ずつ輪生し、株のどこにも強心配糖体を含む木です。細長い葉が一か所から三枚ずつ出ることで決まります。葉は長さ8〜15センチ、幅1〜2センチで厚く、白い主脈が目立ちます。花は6月から9月と長く続き、径4〜5センチの紅・白・淡紅が炎天下でも咲き続けます。…
ウメ(実のなる木)
ウメは、花も実も柄がほとんど無く、枝に直接くっついて線のように並んで付く木です。花に柄がほとんど無いことが最初の一点です。花は径2〜2.5センチで枝に直接付き、枝の線をなぞるように並んで咲きます。柄の長いソメイヨシノが枝から離れて房になるのとは、遠目にも違いが分かります。若い枝は緑色でまっすぐ上へ伸び…
カキノキ(実のなる木)
カキノキは、実が落ちても四枚の萼が乾いたへたとなって、翌春まで枝に残る落葉の木です。枝先に残る四枚のへたで引けます。へたは花の萼が残ったもので、実が落ちたあとも枝に付いたまま乾き、冬から翌春まで残ります。葉は長さ8〜18センチと大きく、厚くて表面がつやつやと光ります。秋には橙色の実が葉の落ちた枝に付き…
ビワ(実のなる木)
ビワは、厚く硬い葉の裏に褐色の短い毛が密に生え、裏側が茶色く曇って見える木です。街路樹の調査では上位に出ませんが、庭や空き地、崖ぎわに残った株として街のあちこちにあります。高さ5〜8mほどの常緑小高木で、葉序は互生でも枝先に大きな葉が輪のように集まって付くため、株全体が濃い緑の塊に見えます。決め手は葉の裏で…
イチジク(実のなる木)
イチジクは、実に見えるものが、内側を向いて花が咲く隠頭花序という花の入れ物です。庭の隅や畑の縁、空き家の塀ぎわに残る落葉の小高木で、街路樹の調査には出てきません。枝は太く、同じ太さのまま曲がって伸びるので、冬でも姿で見当が付きます。葉は手のひらほどに大きく3〜5つに裂け、夏には葉のつけ根に緑の小さな袋が並びます。…
ザクロ(実のなる木)
ザクロは、6月に厚い筒状の萼から朱色の花が開き、散ったあとも萼が枝に残る木です。古い庭や寺社の境内、住宅地の細い路地に残る落葉の小高木で、街路樹の調査には出ません。高さは3〜5mほど、幹はねじれて縦に浅く裂け、根もとから何本も立ち上がります。6月に開く朱色の花がいちばん強い手がかりで…
ヤマグワ(実のなる木)
ヤマグワは、切れ込みの深い葉と卵形の葉が同じ株の中で混じる、形のそろわない木です。空き地や河川敷、生垣の隙間に鳥が種子を運んで勝手に生える落葉の木です。植えられたものではないため、街路樹の調査には出てきません。高さ3〜10mまで伸び、放っておかれた場所ほど大きくなります。決め手は葉で…
トキワサンザシ(実のなる木)
トキワサンザシは、生垣やフェンスぎわで、枝が見えなくなるほど赤い実を付ける木です。生垣やフェンスぎわに植えられた常緑の低木で、ピラカンサの名でまとめて呼ばれます。国土技術政策総合研究所の街路樹調査では中低木の76位、ピラカンサ類で4万6307本が数えられました。秋から冬は枝が隠れるほどの赤い実が決め手で…
ナンテン(実のなる木)
ナンテンは、細い幹が束になって立ち、三回分かれる葉の上に冬の赤い実を垂らす木です。庭の隅や建物のきわ、公園の植え込みに植えられる常緑の低木です。国土技術政策総合研究所の街路樹調査では中低木の21位、ナンテン類で63万本、うち種としてのナンテンが13万6342本、低く仕立てたオタフクナンテンが48万2924本を占めます。…
センダン(実のなる木)
センダンは、葉を落とした冬の灰色の枝に、黄土色の実だけが房で残る落葉の高木です。西日本の街路や公園でよく見る落葉の高木で、国土技術政策総合研究所の街路樹調査では107位・4060本が数えられています。枝が横に大きく広がるため、樹形は縦より横に伸びます。いちばん分かりやすいのは冬で…
トウネズミモチ(実のなる木)
トウネズミモチは、葉を空に透かすと側脈が明るく浮き、葉一枚で見分けられる木です。公園や造成地、街路の植え込みで見る常緑の高木です。国土技術政策総合研究所の街路樹調査では高木の49位、ネズミモチ類2万604本のうち1万4072本が本種で、中低木としても15位に入ります。決め手は葉の透かし方で…
