ツバメが低く飛ぶと雨になる
種にまつわる思い込み
「ツバメが低く飛ぶと雨になる」というのは、当たるとも外れるとも言えない言い伝えです。
言われていること
空模様や生き物の様子から天気を読む観天望気の一つで、ツバメが低いところを飛ぶ日は雨になる、という言い伝えです。理由は「湿気で虫の羽が重くなり、低いところしか飛べなくなるので、それを追うツバメも低くなる」という説明が広く知られ、南九州大学に聞いた番組でも、気圧や湿度の変化を昆虫が敏感に感じ取り、雨の前は地面近くに隠れると紹介されています。朝に空を見て、その日の支度を決める目安として語られてきました。
分かっていること
ツバメは飛びながら空中の小さな昆虫を捕る鳥で、追う相手はハエやアブ、羽アリのような飛ぶ虫です。2018年に米国でツバメに高度を記録する小型の装置を付けた調査では、平均の飛翔高度は34m、最大でも273mと、同じツバメ科の2種より低い高さで飛び続けていました。この調査では気温や上昇気流は高さに影響せず、気圧との関連だけが確かめられています。虫がどのくらい低いと雨が近いかは、この調査でも確かめられていません。飛ぶ高さは、餌の虫の高さに従います。
確かめられている範囲
湿度が上がると虫の羽が重くなり低く飛ぶ、という理屈を測った資料は見つけられていません。上の2018年の調査は気圧との関連は確かめましたが、気圧が高いほど低く飛ぶのか高く飛ぶのかまでは論文に書かれておらず、湿度や雨との関係、当たった日の割合も調べていません。ツバメが低く飛んだ日に雨が降った割合を数えた公表資料も見当たりません。的中率の記録が出れば書き直せる項目です。
広まった経緯
観天望気は、道具の無い時代に空と生き物から天気を読む知恵として受け継がれてきました。雲や風、生き物の動きを手がかりにするひとまとまりの言い伝えで、短いことわざの形は覚えやすく、人から人へ渡りやすい形をしています。加えて当たった日だけが記憶に残り、外れた日は数えられません。もっともらしい理屈が添えられたことで、確かめる手順を踏まないまま定着しました。
出典
- 論文・英語 Dreelin RA, Shipley JR, Winkler DW/Frontiers in Ecology and Evolution(2018) Flight Behavior of Individual Aerial Insectivores Revealed by Novel Altitudinal Dataloggers
- 動画 サン!シャイン公式ch. ツバメが低く飛ぶと雨になる?天気のサインを天達解説
