よくある思い込み図鑑

人がさわったヒナは見捨てられる(ヒナと巣の思い込み)

「人がさわったヒナは見捨てられる」というのは、裏づけの確かめられていない説明です。地面のヒナを拾い上げたあと、人のにおいが付いた個体は親が寄りつかなくなるという言い方が、拾った側への説明として流れています。触ってしまった以上は戻しても無駄で、そのまま連れ帰るほかない、という結論までが一続きで語られます。…

地面にいるヒナは巣から落ちた(ヒナと巣の思い込み)

「地面にいるヒナは巣から落ちた」というのは、羽のそろった巣立ちビナには当たりません。地面や低い枝にヒナがいると、巣から落ちた事故として受け取られます。親の姿が見えず、口を開けて鳴いていれば、このままでは死んでしまうという判断まではひと息です。拾って箱に入れ、動物病院や自治体へ持ち込むところまでが一つの流れになっていて…

巣は鳥の家で一年中住んでいる(ヒナと巣の思い込み)

「巣は鳥の家で一年中住んでいる」というのは誤りで、巣はその年の子育て用の施設です。軒下や樹上の巣を見て、鳥が一年中そこで暮らしていると受け取る言い方です。空の巣があれば「留守」、冬に使われていなければ「引っ越した」と読み替えられます。この見方に乗ると、巣を外すことは家を壊すことになり…

毎年同じツバメが同じ巣に帰る(ヒナと巣の思い込み)

「毎年同じツバメが同じ巣に帰る」というのは、標識調査で見ると多数派ではありません。春になると去年と同じツバメが同じ軒先へ帰ってくる、と信じられています。前年と同じ場所に巣ができていればあの個体が戻ってきたと受け取られ、場所を覚えて帰ってくる鳥という物語として語られます。…

水鳥にパンをやるのは親切(餌と関わり方の思い込み)

「水鳥にパンをやるのは親切」というのは、食べ残しが水と群れを変えるため言えません。池や川でカルガモやユリカモメにパンをちぎって投げる行為は、害のない親切として扱われてきました。子どもと出かけたときの定番でもあり、食べているのだから足りているのだろうという納得の仕方がついてきます。…

餌づけをやめると鳥は生きられない(餌と関わり方の思い込み)

「餌づけをやめると鳥は生きられない」というのは、野外の実験では確かめられていません。人の出す餌に慣れた鳥は自力で採らなくなり、やめた年の冬に飢えてしまうという言い方です。だから始めたら続けなければならない、旅行の間も切らせない、という責任論が後ろに続きます。逆向きに、やめられないのだから最初から関わるべきでない…

窓にぶつかった鳥は休めば飛べる(餌と関わり方の思い込み)

「窓にぶつかった鳥は休めば飛べる」というのは、飛び去っても無事とは限らない説です。窓や壁にぶつかった鳥は、しばらく静かに置いておけば飛び立つと言われます。飛び去るのを見て「大丈夫だった」と結ぶのが、いちばん多い受け取り方です。実際に数分で飛ぶ個体はいるため、目の前の出来事としては説明がついてしまうのが厄介です。…

外に出す飼い猫は野鳥に関係ない(餌と関わり方の思い込み)

「外に出す飼い猫は野鳥に関係ない」というのは誤りで、狩りは家のすぐ周りに集中します。外に出している飼い猫は餌をもらっているのだから本気で狩らないはずだ、と考えられています。捕るのは弱った個体だけで、自然の中の出来事にすぎないという受け取り方も重なります。野鳥が減る理由は開発や気候のほうが大きいのだから…

梅にとまる緑の鳥はウグイス(種にまつわる思い込み)

「梅にとまる緑の鳥はウグイス」というのは取り違えで、蜜を吸う緑の鳥はメジロです。早春に梅の枝へ来る緑がかった小鳥を「梅に鶯」と呼び、黄緑の体で花のあいだを動く鳥がウグイスだとする言い方が広く通っています。うぐいす色という色名がそのまま重ねられ、同じころ藪から聞こえるさえずりも裏づけのように受け取られます。…

カラスは恨みを覚えて襲う(種にまつわる思い込み)

「カラスは恨みを覚えて襲う」というのは誤りで、顔は覚えても蹴るのは巣を守るためです。一度追い払ったり巣に近づいたりすると顔を覚えられ、あとで待ち伏せされて襲われる、という話です。「カラスに恨まれた」という言い方で語られ、同じ道を通るたびに狙われる、何年も忘れないといった尾ひれも付いています。…

スズメはどこにでもいて減っていない(種にまつわる思い込み)

「スズメはどこにでもいて減っていない」というのは誤りで、数は減ってきたとされます。スズメは街にも田んぼにもいて、群れで電線に並ぶので、減るはずのない鳥として語られます。「どこにでもいる」という感覚がそのまま数の話に置き換えられ、数えて確かめる対象になりにくい鳥でした。野鳥が減るといえば山や湿地の鳥の話だと受け取られ…

ツバメが低く飛ぶと雨になる(種にまつわる思い込み)

「ツバメが低く飛ぶと雨になる」というのは、当たるとも外れるとも言えない言い伝えです。空模様や生き物の様子から天気を読む観天望気の一つで、ツバメが低いところを飛ぶ日は雨になる、という言い伝えです。理由は「湿気で虫の羽が重くなり、低いところしか飛べなくなるので、それを追うツバメも低くなる」という説明が広く知られ…