初めてで起きやすい失敗
太陽を直接見る・1枚の写真で決めるなど、最初に多い失敗。
空を見始めた最初の数回でつまずくのは、目の守り方と見る順番だ。いちばん多いのが、光の現象を探すうちに太陽本体へ目を向けてしまうことだ。太陽本体を直接見ない。濃いサングラスは、どれだけ暗くても太陽を見る道具にならない。安全な太陽観察用のフィルターは ISO 12312-2 に適合し、サングラスの何千倍も暗い(NASA)。前面に専用の太陽フィルターを付けないまま明るい太陽を双眼鏡や望遠鏡、カメラで覗くと、瞬時に重い目の傷害が起きる(NASA)。日食グラスを目に当てていても、その上から光学機器を覗けば同じ結果になる。探すときは建物の角や電柱で太陽を隠し、縁の外に残る光だけを拾う。
次に多いのが、太陽からの角度を見ないまま名前を決めることだ。大気光象は、太陽や月の光が大気中の細かい水滴や氷に当たり、反射したり曲げられたりして見える現象をまとめた呼び方で、虹・幻日・太陽柱・暈がその例に挙がる(気象庁)。氷晶を通る光は最小22度で曲がるので、内暈は太陽から22度の輪になり、幻日は太陽の左右約22度に光る(英国気象局・米国気象局)。一方で光環は回折だけでできるため、太陽のすぐ外側に小さく付く(英国気象局)。太陽から何度離れているかを測れば、この2つは取り違えない。腕を伸ばした手の幅や角度計で角度を当て、色の並びも見る。幻日の色は太陽に近い側が赤、外側が青の順に並ぶ(米国気象局)。
3つめは、1枚の写真だけで名前を決めることだ。雲の種類は瞬間のもので、形は絶えず移り変わる(weatherbox studios)。写真1枚に残るのはその瞬間の形だけなので、数分おきに同じ方向を撮り、変わり方まで見てから決める。変種は、見える要素の配置と透明度の違いで分かれ、1つの雲が複数の変種の特徴を示すときは観測した変種を全部名前に入れる(WMO 国際雲図帳)。波状雲や放射状雲は並び方が決め手なので、寄った1枚では配置が切れて決められない。レンズ雲も、輪郭の全体が写っていなければ決められない。寄りの1枚と、空の広さが入る1枚を対で残す。
4つめは、太陽のまわりだけを見て空の残りを見落とすことだ。太陽柱は、ゆっくり落ちる氷晶の面で光が反射して太陽の上に伸び、太陽が地平線に近く巻雲が出ているときに見えやすい(米国気象局)。環天頂アークは、水平に浮かぶ氷晶の上面から光が入ってできるため、天頂寄りに現れる(英国気象局)。同じ氷の雲が広がる空でも、現象が出る高さは太陽の高さで変わる。太陽の側を見たら、天頂と地平線のほうにも首を振る。
5つめは、光だけを見て、出ている雲を確かめないことだ。幻日は巻雲の中の六角形の氷晶を光が通ることで生まれ、22度の暈も同じ条件でできる(英国気象局)。巻層雲が薄く広がっていれば、氷晶がつくる現象を探す側に回れる。光環は水滴のまわりを光が回って付くので、水の雲が太陽にかかる日のものだ(英国気象局)。光の名前は、空に出ている雲と対で決める。
