声に気づく
姿より先に声で見つける、最初の聞き方。
鳥を探すとき、姿を目で追う前に、まず足を止めて声を聞くほうが近道になることがあります。声は視界の外からでも届き、藪の奥や高い枝先にいて姿が見えない鳥の居場所を先に教えてくれます。ヒヨドリのピーヨのように、鳴きながら飛ぶ鳥は、声の方向を目で追うだけで居場所が分かります。ゴールデンゲート・バード・アライアンスの入門記事は、立ち止まって1〜2分静かに耳を澄まし、聞こえる声を一つずつ意識して分ける練習をくり返すよう勧めています。
最初から多くの声を覚えようとせず、家のまわりでいつも聞く数種に絞るのが近道です。スズメのチュンやキジバトのデッデポッポー、ハシブトガラスのカアは街のどこでも聞ける声で、聞きなし(声を人の言葉に置き換えて覚える方法)の入口にも向きます。島根県の自然観察の資料は、ウグイスのホーホケキョやホオジロの一筆啓上を聞きなしの代表例として挙げ、聞こえ方は人によって多少違うので、目安として使うよう勧めています。
声には大きく二つの型があります。さえずりは繁殖期に主に雄が出す、長く規則的な節の繰り返しで、縄張りを示し雌を誘う役目を持ちます。ウグイスのホーホケキョは「ホー」をどれだけ溜めるかが聞き分けの勘どころで、こずえに出て鳴くホオジロの一筆啓上は声と同時に姿も確かめやすい例です。地鳴きは一年を通して雌雄とも出す短い声で、仲間との連絡や警戒など場面ごとに使い分けられます。スズメのチュンのように、同じ一声がさえずりと地鳴きのどちらにも使われ、型だけでは分けられない鳥もいます。バードウォッチング・デイリー誌の解説は、この二つを分けて覚えると学習の手がかりが二倍になると述べています。
最初から一語一句を聞き取ろうとせず、音の長さ・くり返しの速さ・伸びるか区切れるかという調子をつかむほうが、慣れないうちは手がかりになります。Maurice Bakerの鳥の声の解説動画は、歌と地鳴きの違いはリズムとテンポで見分けやすいとし、同じ鳥でも声の出方は個体や場面で変わると述べています。慣れてきたら、携帯電話で録音し、あとで聞き直して記憶を補う方法も助けになります。
