磯靴・スパイクシューズ
磯靴・スパイクシューズは、濡れた岩でスニーカーが滑る事故を防ぐ


見分け方
靴底に金属ピンやフェルトを付けた専用の靴です。スパイク(ピン)は乾いた岩やゴロタに強く、フェルトは濡れた岩や苔に強い。両方を組み合わせたフェルトスパイクが磯では最も汎用的です。フェルトが濡れた岩に効く理由を、生き物の足から調べた研究もあります。北米に生息するカワウソの後ろ足には、フェルト張りの磯靴のソールに似た柔らかく丸い肉球があり、藻の生えた濡れた岩の上を平気で歩きます。米国の研究チームが、川辺での歩行の撮影と、肉球の材料試験・組織の観察を組み合わせて調べた2024年の研究では、この肉球と周りの質感のある皮膚が、接地した瞬間に岩との間の水を押し出してグリップを生んでいると分かりました。人が使うフェルトソールも、水を含んだ柔らかい繊維が岩に密着して水膜を減らすことで、似た理屈で摩擦を保っていると考えられます。
危険・注意
濡れた岩と海藻の上では、スニーカーはほぼ確実に滑ります。磯での転倒は、そのまま海への転落や頭部の外傷につながります。テトラポッドの上も同じで、隙間に落ちると自力では出られません。海上保安庁がまとめた釣りの事故事例には、磯で足を滑らせて仰向けに転倒し、背中を強く打って負傷した例や、足を滑らせてそのまま海に転落し、しばらく漂流した例が実際に載っています。
対処
磯とテトラに上がるなら、靴だけは専用のものを。堤防のコンクリートだけならスニーカーで構いませんが、テトラに乗る予定があるなら別です。ピンは消耗品なので、丸くなったら交換してください。摩耗したピンは効きません。
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フェルトスパイクとスパイク、磯靴のソールの選び方
この靴の位置づけ
磯、特に大きな地磯に上がるなら磯靴は必須で、海への転落につながる原因の多くは足元が滑ることだと話している。ライフジャケットも当然必要だが、お金をかける優先順位としては何よりも靴で、靴さえちゃんとしていれば海に落ちることはほとんどない、というのがこの人の考え方。
磯で使えるソールは2種類
靴底はフェルトスパイクとスパイクの2つで考えるよう整理している。フェルトスパイクはフェルトが底を均一に覆い、その中にピンが埋まっている構造。スパイクはピンだけが並ぶ。ゴム底のラジアルソールは磯では使わないように、と付け加えている。
どちらを選ぶか
フェルトスパイクは荷重が分散して足裏が疲れにくくバランスも取りやすいが、濡れてぬめった岩や苔の上ではグリップしない。スパイクはどんな地形でも滑らない代わりに、一日歩くと足裏が痛くなる(中敷きを入れれば多少やわらぐ)。1足であらゆる磯に対応するならスパイク一択で、フェルトは通い慣れた安全な足場やランガン中心の釣り用に足す、という使い分けを勧めている。
選ぶときの注意
形はくるぶしまで覆うハイカットを選ぶこと。磯で足をぶつけると普段の感覚とは違ってスパッと切れるし、打撲で歩けなくなれば釣りどころではなくなる。安価な海外製はローカットが多いので勧めないという。ピンの本数が多いモデルは、同行者がことごとく滑った足場でも滑らなかったといい、摩耗しにくいタングステンのピンなら1年使ってもまだ現役だと評価している。
出典
- 論文・英語 Noel AC, Lieb J, Seleb B, Thatcher M, Kim S, Asberry AT, Nadler JH, Hu DL(2024) Enhanced wet grip with North American river otter paws
- 公的機関 海上保安庁 事故事例|ウォーターセーフティガイド
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