始める前に確かめる決まり
勤め先の規則と、届け出の要否。
最初の1件を探す前に、勤め先の規則を確かめる。見るのは就業規則の副業規定で、就業規則や服務規程の中に副業・兼業という言葉がどこにあるかを探す。厚生労働省のモデル就業規則は2018年1月の改定で「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」という書き方に変わり、副業を原則として認める方向に動いた。ただし各社は条文を自由に書き換えられるので、実際の書きぶりは会社ごとに違う。
条文が届出制か許可制かを区別する。届出制なら、就業規則が定める方法で副業の内容を会社に伝えれば足りる。許可制なら副業の許可申請を出し、返事が来る前に仕事を受ける約束をしない。許可を待たずに受注すると、条件付きの許可しか出なかったときに引き返せない。会社が制限できるのは、労務提供上の支障・企業秘密の漏洩・会社の名誉信用を損なう行為・競業のいずれかに当たる場合に限られ、必要以上に広く解釈して止めることは避けるべきとされる。
条文に副業の言葉が無い、届出だけで済む書き方でも、競業避止義務と秘密保持義務は雇用契約そのものから生じ、就業規則の有無にかかわらず残る。確かめるのは、副業の仕事先が本業の取引先や同業と重なっていないか、本業の資料や手順を副業の成果物に使っていないかの2点。担当している取引先に個人で声をかける形は、届出の有無を超えて信頼関係を壊す。
公務員は会社の規則ではなく法律で決まる。国家公務員法第103条は営利企業の役員を兼ねることと自ら営利企業を営むことを原則として禁じ、認められるのは人事院規則に基づき所轄庁の長などの承認を受けた場合に限られる。人事院の報告では、2023年に承認された自営の兼業は266件で、主な内容はアパートや賃貸マンションの経営、駐車場や土地の賃貸、太陽光電気の販売だった。該当するかどうかは、始める前に公務員の副業が扱う窓口へ確認する。
規則を確かめずに始め、見つからなければいいと考えるのは避けたい。副業は会社に伝わる経路を通じて知られることがあり、知られること自体より隠していた前提で扱われることのほうが重い。先に規則を確かめ、要るなら届出や許可の手続きを済ませておくほうが、結局は早く最初の1件に取りかかれる。
