請求して入金を確かめる
請求書の出し方と、入金の確かめ方。
納めた時点では、まだお金は動いていない。請求書の出し方は納品とは別の作業で、請求書が届いてから支払いの処理を始める会社もある。フリーランス法の対象になる取引なら、請求書の提出があったかどうかにかかわらず、定めた支払期日までに報酬を払う義務がある(公正取引委員会のQ&A)。それでも、書類が無いと動けない相手はいる。納品の連絡と同じ日に請求書まで送って、1件の終わりとする。
請求書の様式は決まっていない。消費税のインボイスに登録しているなら、記載事項は、作成者の氏名か名称と登録番号・取引年月日・取引内容・税率ごとに区分して合計した対価の額と適用税率・税率ごとの消費税額・交付を受ける相手の氏名か名称になる(国税庁)。登録していなければ登録番号は書けない。ここに振込先と支払期日を足す。会計ソフトを手がける会社の解説チャンネル(自社のソフトへの案内が入る)は、支払期日を書かないと遅れを指摘できないと説明し、送信の記録が残る方法で送ることを勧めている。
支払期日は、請求書の日付から数えるのではない。フリーランス法の対象になる取引では、起算日は給付を受領した日で、その日も日数に算入する。役務の提供なら、一連の提供が終わった日が起算日になる。期日は受領の日から60日以内の、できる限り短い期間で定める。月末締め・翌月末払いのように月の日数で数日超えるものは、2か月以内として扱い問題としない(公正取引委員会のQ&A)。いつ入るはずかを、受けた時点で自分でも数えておく。
入金の日は、請求額と同じ額が入ったかまで見る。企業から受けた原稿料や講演料は、100万円以下の支払いで10.21%が源泉徴収として先に引かれる(国税庁)。払う側が個人で、人を雇って給与を払っていなければ、原則として引かれない。仲介するサイトの手数料も差し引かれる。一方、フリーランス法の対象になる取引で振込手数料を報酬から引くことは、合意があっても報酬の減額にあたる(公正取引委員会のQ&A)。差額の理由が分からないうちは入金済みにしない。支払明細の内訳を相手に聞く。残った額が手取りで、引かれた所得税は確定申告で精算する。
期日に入らないことは起こる。英国で映像の仕事をするJackShelbournは、請求書に発行日と通し番号を必ず入れ、催促はその発行日から数えると話している。最初は穏やかなリマインドのメールを送る。数時間から1日で振り込まれることも多く、担当者の異動や休みで止まっていただけのこともある(JackShelbournの経験)。電話で決めたことは直後に要点をメールで送り、記録を残す。応じない相手には、厚生労働省が第二東京弁護士会に委託する「フリーランス・トラブル110番」がある。報酬の未払いや一方的な減額の相談を、無料・匿名で受け付ける。電話は平日の9時30分から16時30分で、経験10年以上の弁護士による和解あっせんも無料。自分が発注した側のトラブルと、請求書面の作成は対象外。
やりがちな失敗は3つある。納品の連絡で安心して請求を忘れること、請求書に支払期日を書かないこと、入金の額を見ないまま次の仕事に移ることだ。どれも、気づくのが翌月以降になるほど言い出しにくくなる。請求と入金の確認は、月の決まった日の作業として会計ソフトでの記帳と一緒に片づける。副業の入金だけを通す屋号と事業用口座にしておくと、どの請求がまだ入っていないかを明細で追える。入る月と働いた月はずれる。手元の現金の波は資金繰りで、月ごとの入り方は入金サイクルと資金繰りで確かめておく。
