進めて納める

途中の連絡と、納めるときの確かめ。

内容・期限・金額を決めて受けたあとも、仕上げるまでの間に相手へ進み具合を見せ続けることが、仕事の一部になる。副業は本業の合間に進めるため、返信が止まった数日は、発注した側には作業が止まっているとしか見えない。受ける時点で決めた連絡のリズムどおり、着手したとき・半分進んだとき・仕上げる直前の節目で自分から報告すると、沈黙を不安に変えずに進められる。

パキスタンの研究者が、デジタルの仕事の場で働くフリーランサー250人にアンケート調査をした研究では、仕上がりの見た目や丁寧さより返信の速さのほうが、発注側からの信頼・次の依頼・評価の高さと最も強く結びついていた。仕上げる技術だけでなく、進める間の連絡の速さそのものが、次に続く依頼を生む材料になる。

進める途中で、最初の依頼には無かった直しや追加の希望が出ることは珍しくない。修正回数を先に決めるときに合意した回数と範囲に、来た依頼が収まっているかをまず確かめる。収まっていなければ追加の見積もりに戻し、方向性ごと変える依頼は、直しではなく新しい依頼として扱う。

途中で決めた内容は記憶に頼らず残す。通話で決めた事項は、終わった直後に要点を一行書いて送り、進行の記録を残すの備えにする。残した記録は、納めたあとに言い分が食い違ったときの手がかりになる。見通しが崩れて納期の見積もりどおりに進まないと分かった時点で、黙らずに新しい日付を自分から示す。

仕上げた物を送った時点では、まだ相手に受け取ってもらったことにはならない。フリーランス・事業者間取引適正化等法のQ&Aは、文章や画像などの情報成果物を電子メールなどで送った場合、発注側の使う機器の中に記録された時点を受け取った日として数え、報酬の支払期日はその日から数え始めると説明する(公正取引委員会のQ&A)。送って終わりにせず、届いたかを相手に確かめてもらう一言を添えておくと、数え始めの日がずれない。同じQ&Aは、理由なく受け取りを拒むことや、理由なく内容を変えてやり直しを求めることも、法が制限する行為として挙げている(公正取引委員会のQ&A)。

この節に出てくる図鑑の項目

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