目的と期間を決める

使う時期と必要額から、取れる値動きの幅を決める。

目的と期間を決める段取りは、商品を選ぶより先に置く。使い道と金額が決まっていないと、値動きの幅が自分に合っているかを判断できない。

目的は「期限」と「必要額」に翻訳する。米国の投資教育チャンネルFinancingLifeのリック・ヴァン・ネスは、目標設定の最初の一歩は目標・期限・必要額をざっくり書き出すことだと説明し、完璧な見積もりを待つより、ラフな数字をまず書いて毎年見直す方がうまくいくと述べている。

次に、期限の長さで目標を分ける。ETFポートフォリオマネージャーを名乗るLeung(チャンネル「Leung the ETF Portfolio Manager」)は、投資目標を0〜2年の短期・2〜5年の中期・5年超の長期に分け、期限が長いほど下落から回復する時間があるので値動きの大きい資産を受け入れやすく、期限が近いほど元本を減らさない安全性を優先すべきだと説明している。

目的の中身も、安全に確保すべき部分と、リスクを取ってよい部分に分かれる。FinancingLifeの動画が示す老後資金の例では、暮らしに欠かせない支出(生活必需費)には、年金や個人年金のように生涯続く安全な収入をあて、削ってもよい支出(贅沢費)にだけ株式など値動きの大きい資産をあてる組み方を比べている。この例では、必需費まで株式に任せる組み方は、退職直後に相場が悪化すると資金が想定より早く尽きるおそれがあるとされた。

取れる値動きの幅は「がまんできる心の広さ(リスク選好)」と「実際に負える経済力(リスク許容力。収入の安定性や貯蓄の厚さで決まる)」の両方で決まる、とLeungは述べる。目標が、いま決めた値動きの幅のままで届くかを自問し、届かなければ値動きの幅を減らし、心が耐えられなければ目標の水準を調整するしかないとしている。

やりがちな失敗は、値動きに慣れる前に大きな額を入れてしまうことだ。両学長(リベラルアーツ大学)は、資産の値段が毎日動くことに慣れるまでは大金を入れず、少額から始めて安全を確かめながら投資額を増やすよう助言している。期限の無い余裕資金も、使う時期を書いておかないと、本人が使わずに相続と証券口座の手続きへそのまま引き継がれる。期限がある目標でも、iDeCoの受け取り方のように受け取り方が複数ある制度は、使う時期を先に決めておくほど選びやすくなる。

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