制度が変わったとき
変更の確かめ方と、持っているものへの影響。
制度が変わるという話を聞いたら、最初に段階を見分ける。制度は、金融庁などの要望、税制改正の大綱、国会での法の成立、施行の順に進み、口座で使えるのは施行の後になる。同じ「NISAが変わる」という見出しでも、段階が違えば手を打つ時期も違う。
2026年10月の時点で、3つの改正の段階は別々だ。NISA つみたて投資枠は2027年から年齢の要件が外れ、0〜17歳も年60万円・総額600万円まで使えるようになる。12歳以降は、子のための使い道で、子が同意したことを示す書面を付けたときに限り、親権者などが払い出せる(金融庁)。18歳になると成年の枠へ自動で移り、非課税保有限度額1,800万円の内側に数えられる。売った分の枠を同じ年のうちに戻す案は、金融庁が2027年度の税制改正要望に「継続要望」として載せた段階で、決まってはいない。いまの決まりでは、非課税枠の再利用は売った翌年からになる。
暗号資産は、金融商品取引法の対象へ移す改正法が2026年7月に成立し、規制の部分は公布から1年以内に施行される。税は令和8年度税制改正の大綱で、登録業者を通じた譲渡などを約20%の分離課税にし、損失を3年繰り越せるようにする方針が示された(金融庁)。株式の繰越控除(3年)と同じ形になるが、適用の始まりは施行の後で、それまでの取引は総合課税のままになる。
確かめる先は一次情報に絞る。金融庁のNISA特設ウェブサイトと税制改正の資料、国税庁の案内が元で、解説の記事や動画はそこから書き写したものにあたる。図鑑の制度の項目には、変わりやすさと確認先を書いてあるので、古い記事の数字と食い違ったときは確認先の最新の版を見る。
次に、自分の計画に当てはまるかを決める。当てはまらない改正は読むだけでよい。子の教育費を積み立てる家庭なら、払い出せる年齢と使い道の条件が、学費を払う時期に合うかを先に確かめる。成年のNISA口座は使い道を問わないが、未成年の口座は子のためにしか払い出せない。
やりがちな失敗は、制度が変わったことを売買の理由にすることだ。対象の商品が増えた、枠が早く戻るかもしれない、という知らせで配分を変えると、課税口座では売るたびに税がかかり、損益通算の扱いも口座ごとに違う。改正で増えるのは選べる道具で、目的と期間で決めた配分を変える理由にはならない。
