ロック

激しい曲

バンドの音圧に負けない声で押す曲

どんなジャンル?

バンドの音が厚く、その上に声を乗せるジャンルで、音圧に負けない押しが要ります。旋律の形は難しくないのに、原曲の歌い手が張った声で通しているぶん、同じやり方をなぞると喉から先に消耗します。テンポは速め、拍の頭がはっきりしていて、言葉は短く切って置かれます。

歌い方のポイント

張る場所をサビの前半だけに絞ると最後まで持ちます。地声で押し切ろうとせず、高い側はミックスボイスへ渡すのが現実的です。子音を強く出すと声量が足りなくても前に出て聞こえるので、息を先に吐いてから声を置きます。マイクはこぶし一つ分まで近づけ、マイクとの距離を一定に保ちます。

選ぶときの目安

音域そのものが広い曲は多くないので形はすぐ作れるのですが、体力の消費が大きいのが実情です。一時間に二曲までと決めておくと、その日の後半がつぶれません。声を張るのが好きかどうかがそのまま向き不向きで、話し声がもともと通る人は合いやすい傾向があります。

つまずくところ

いちばん多いのは勢いで喉を締めて叫ぶことで、二曲目の途中から声がかすれます。違和感が出たら休むのが先で、喉が痛むサインを知っておくと引き際が分かります。声の戻らない状態が一週間以上続くようなら、自己判断せず耳鼻咽喉科で診てもらってください。

解説動画: 【初心者向け】がなり/シャウトの練習方法【仕組みがわかる】/藤嶋拓未の歌唱塾

がなりは二つの音が重なった声: 澄んだ声は声帯で作られた原音が上の空間を通って言葉になる。いっぽうがなり(唸り声)は、声帯のすぐ上にある仮声帯も同時に鳴り、二つが重なって一つの音になったものだと説明する。仮声帯は逆ハの字の形で声帯の上にだらんと垂れていて、音は大声を出した時のガラガラした鳴りに近い。

息に押し負けそうな時に働く: 仮声帯が働くのは、送られてくる息の量が多すぎて声帯が圧力に耐えられず、吹き飛ばされそうな状態でも声を出そうとしている時。近いのは重い物を持ち上げる時の踏ん張りで、実際に重い物を持って試してもいい。力を入れて息を止め、閉じた声帯のすきまから息を少しだけ漏らすと感覚に近づく。

咳払いから段を上げる: 入口は軽い咳払い。喉の奥にビリビリした感覚が出て、小刻みに繰り返してもむせないなら次へ進む。その咳払いを少しずつ伸ばし、伸ばせたら「あー」の声に変換し、最後は濁った「あ゛ー」にする。続けるうちに喉がかゆくなるので、回数を区切って休みを入れる。

言葉に乗せる応用: 感覚がつかめたら言葉に乗せる。英語の短い言い回しで語尾を少し上へ持ち上げながら濁りを足すと、後ろまで長さが持つという。曲の中で一部だけスパイスとして入れる使い方ができれば、長く出し続けられなくても表現の幅は広がると位置づけている。

焦らず細切れに積む: やり方を間違えると喉を痛めやすい発声なので、短期間で仕上げようと焦らない。少しやったら休むを1日の中で細切れに重ねるほうが、喉の負担を減らしながら感覚に近づける。痛かったらすぐやめる。講師自身も澄んだ声で歌ってきたタイプで、これは勉強中だと断っている。