作業用手袋
手を守る
作業用手袋は、刃から守る手袋、熱から守る手袋、汚れと薬品から守る手袋、滑らないための手袋という、素材も厚みもまったく別物の道具をまとめて指す言葉です。厚い革の手袋は熱に強い代わりに指先の感覚が消えて細かい物をかえって落とし、薄いゴム手袋は溶剤や染料から手を守りますが刃物には無力なので、選び違えると守れないどころか危険です。用途ごとに一双ずつ持つほうが、どの作業でも役目を果たして最後まで使い切れます。軍手は滑り止めにも刃にも中途半端で、油や薬品はむしろ吸い込んで肌に残します。
どこに効くか
手袋は一種類ではありません。刃から守る手袋、熱から守る手袋、汚れと薬品から守る手袋、滑らないための手袋は素材も厚みも別物で、選び違えると守れないどころか危険です。厚い革の手袋は熱に強い代わりに指先の感覚が消えて、細かい物をかえって落とします。薄いゴム手袋は溶剤や染料から手を守りますが、刃物には無力です。DIY系YouTuberのChrisFixも、薄いニトリル手袋は手触りが残るが溶接や切断には向かず、作業ごとに手袋を替えると話しています(メーカーから提供された手袋のレビュー)。用途ごとに一双ずつ持つほうが、どの作業でも役目を果たして、最後まで使い切れます。軍手は滑り止めにも刃にも中途半端で、油や薬品はむしろ吸い込んで肌に残します。製造業7事業場の817人への調査(2015年)でも、使う薬品の透過試験の結果を入手していたのは25.2%で、著者らは知識が普及していないと結論しています。
選ぶときに見るところ
用途を一つに絞ってから選びます。切る作業なら耐切創のレベル表示、熱なら耐熱の温度目安、薬品なら素材(ニトリルやラテックスなど)が使う薬剤に合うか。厚生労働省の通達(2017年)は、薬品は素材ごとに透過のしやすさが違うとして、薬品が通り抜けるまでの時間(破過時間)の内で使い、脱ぐときは汚れを内側に付けないよう求めています。手のひら側だけゴムを塗った背抜き型は蒸れにくく指先の感覚も残るので、迷ったらここからで十分です。サイズは大きいと巻き込まれ、指先が余って作業も雑になります。ボール盤のように刃が回る機械では、手が巻き込まれるおそれのある作業で事業者は手袋を使わせてはならないと、労働安全衛生規則(第111条)が定めています。台所用のゴム手袋は汚れを防ぐ道具で、刃物と熱の代わりにはなりません。
出典
- 公的機関 厚生労働省(2017) 有害な化学物質との接触を防止するための化学防護手袋の選択、使用等について
- 公的機関 e-Gov 法令検索 労働安全衛生規則 第111条(手袋の使用禁止)
- 論文 加部勇ら(産業衛生学雑誌 59巻5号)(2017) 事業場における化学防護手袋の選択,着用,保守管理等に関する実態調査
- 動画・英語 ChrisFix What are the Best Work Gloves for a DIYer?
解説動画: 実は使い勝手が全然違う!価格だけで選ぶと失敗しやすい軍手の種類と選び方をご紹介します!/倹約DIY
素材で三つに分かれる: 軍手は素材で純綿・混紡・特紡に分かれます。特紡は余った繊維を寄せ集めたもので、最も安い代わりに耐久性が低く、使っている最中に穴が開くこともある。毛羽立ちが強く、細かいゴミが付くと取れません。激安品で失敗するのはたいていこれで、屋内の軽作業までと割り切って使う種類です。
扱いやすいのは混紡: 綿と化学繊維を混ぜた混紡は、綿の性質を残しつつ化学繊維の強さを足したもので価格も抑えめ。重い作業から細かい作業まで一枚でこなせます。ただし混ぜる割合は商品ごとに違うので質の差は出る。純綿は厚手で丈夫、高い熱で溶けないので火や金属を扱う作業に強い反面、ごわつきます。
ゲージと編みの本数: 編み目の細かさはゲージで表し、主に7と10があります。10ゲージは編み目が細かく手にぴったり沿うので、細かい作業がしやすい。薄手ですが編みが詰まっているぶん耐久性も悪くありません。7ゲージは厚手で丈夫な代わりに指先の感覚が鈍る。糸の本数は厚みに直結し、5本編みは厚く純綿に多いです。
滑り止め加工の落とし穴: 手のひらに滑り止めが付いたものは確かに物が滑りません。ただし滑らないのは手袋と物の間だけで、手と手袋の間は滑るため、その差が違和感になります。加工は片面だけなので裏返して使えないのも小さな欠点。純綿は洗って繰り返し使えますが、縮んだりシワになったりします。