六つの組と冒頭の総説
六計ずつ六組に並べ、説明の多くを易の言葉で結ぶ書。


絵: オトモシリーズ(画像生成で描いた絵)
意味
『三十六計』は、六つの組に六計ずつを並べる。組は順に、勝戦計・敵戦計・攻戦計・混戦計・併戦計・敗戦計と呼ばれる。どの計にも、解語という短い本文と、按語という解説が付く。解語の多くは『易』の卦の言葉で結ばれ、残りにも陰や陽の字が入る。
名前のもとになった故事
冒頭の総説は「六六三十六、数中に術有り、術中に数有り」と始まる。六に六を掛けた数に、意味を持たせる書き出しである。続く句は、陰陽の移り変わる隙に機が在り、機はこしらえても当たらない、と読める。六計ずつを一組にする話は、総説に付いた解説の終わりに「或るひと曰く」の形で出る。
見分け方
計の解説を読むときは、三つの層を分けて見る。四字の計名、解語、按語である。易の言葉が出てきたら、解語の結びの句かを確かめる。故事が出てきたら、按語が引く例か、後の人が結び付けた話かを見る。同じ計の話でも、在る層によって確かさが変わる。
よくある誤解
『孫子』の一部や要約と受け取られることがある。原文では、按語が『孫子』の句を「兵書に云う」と外から引いている。解語が結びに置くのは、多くが『易』の卦の言葉である。別の書として読むほうが、原文に合う。
計名と解語(原文と書き下し)
總說。「六六三十六、數中有術、術中有數。陰陽燮理、機在其空、機不可設、設則不中」(六六三十六、数中に術有り、術中に数有り。陰陽燮理し、機は其の空に在り。機は設くべからず、設くれば則ち中らず)。總說の按語の末尾。「或曰:三十六計中、每六計成一套、第一套為勝戰計、第二套為敵戰計、第三套為攻戰計、第四套為混戰計、第五套為並戰計、第六套為敗戰計」(或るひと曰く、三十六計の中、六計毎に一套を成す。第一套を勝戦計と為し、以下、敵戦計・攻戦計・混戦計・並戦計・敗戦計と為す)。
故事と成立の確かさ
数は維基文庫の7つの頁から数えた。36計すべてに解語と按語がある。頁が易の卦を注かリンクで示す解語は27計。『周易』の頁と照らすと、24計は句か卦の形が注の卦に在り、第3計は卦の名だけを挙げる。第8計の句は益卦に、第17計の「擊蒙」は蒙卦に在り、頁の注(巽卦・蹇卦)と合わない。注の無い9計にも、豫卦の句(第9計)や陰・陽の字がある。注が原文の一部かは分からない。總說の「機在其空」は読みに幅がある。底本は頁に記されていない。
出典
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