学んだあとに動く

体を動かす

覚えた数時間後に体を動かすと残りやすい、という報告

どんな技?

覚える作業を終えたあと、4時間ほどおいてから体を動かします。動くのは自転車こぎのような有酸素運動で、強さは息が続く程度にとどめます。学習の直後ではなく間をおいてから動くところが、この技の変わっている点です。散歩やジョギングでも同じ結果になるかは確かめられていないので、試してみる程度の位置に置きます。運動そのものは体に良いので、やって損のない形には収まっています。

なぜ効くのか

覚えた内容はしばらくのあいだ記憶の固定化の途中にあって、書き換えの効く状態が続くと考えられています。運動で増える物質がその途中に働くのではないか、という仮説は立てられていますが、確かめられた筋道ではありません。なぜ直後ではなく4時間後なのかも説明できていません。効くしくみは分かっていないまま、結果だけが1本報告されている段です。

やり方

覚える作業を午前や昼に置き、その数時間後に動く時間を作ります。強さは息が続く程度の有酸素運動で、長さは30分前後を目安にします。動いたあとに同じ内容を読み返す必要はありません。夜に覚えたなら運動より眠って記憶を固める側を先に取り、睡眠時間を削らないほうを崩さないようにします。続けるかどうかは運動の習慣として決めるほうが、無理がありません。

はまりどころ

報告は1本で、独立した追試が見つかりません。しかも材料は絵と場所の対で、条文や計算の手順まで同じに効くとは示されていません。運動の直前や直後に調子が上がる話は学ぶ前に歩くの側で、こちらの記憶の残り方とは別の主題です。時間を合わせるために運動を無理にねじ込むと、勉強時間と睡眠のほうを削ることになります。効くと決まっていない技に日課を合わせない、が安全な扱いです。

確かめられ方

van Dongen ら 2016 は、学習の直後に動く群・4時間後に動く群・動かない群を比べ、4時間後の群だけが有利だったと報告しています。測られたのは絵と場所の対の48時間後の保持で、試験範囲のような材料ではありません。直後の運動では差が出ておらず、独立した追試の報告も見つからないので、再現性は分かっていません。