クラゲ(カツオノエボシなど)
危険生物
クラゲは、ちぎれた触手に触れただけでも電気のような激痛が走る
見分け方
カツオノエボシは気体の入った青い浮き袋を水面に出し、その上の膜を帆にして波の上を進みます。BBC Earth の番組は、触手が長いもので30mあり、1本で魚を、まれに人も死なせうると説明します。台風などで南風が強く吹くと海岸に漂着し、神奈川県は死んだものも危険なので、見つけても絶対に触らないよう求めています。打ち上がった後、離れた刺胞も少なくとも120日は毒性を保ったと、2025年の実験は報告します。
危険・注意
電気ショックを受けたような痛みが走り、環境省はみみず腫れや水脹れ、ショックから呼吸困難になることもあると書きます。日本ライフセービング協会によると、腫れは10分ほどで出て、腫れとかゆみは12〜60時間後にピークとなり、完治に10日以上かかります。二度目に刺されるとアナフィラキシーを起こし、ショック死することもあると神奈川県は注意しています。
どうする
素手で触手に触れず、擦らずにタオルやピンセットで取り、海水で洗い流します。真水は逆効果と神奈川県は注意します。酢は、日本ライフセービング協会と神奈川県が逆効果とする一方、2025年の実験は海水で薄めた酢なら刺胞を発射させなかったと報告し、評価が割れています。迷ったら酢は使わないでください。日本ライフセービング協会は45℃ほどの湯に浸す方法も挙げます(やけどに注意)。刺されたら医療機関へ。息苦しさがあればすぐ119番を。
出典
- 公的機関 環境省 せとうちネット アカクラゲ・カツオノエボシ(クラゲのなかま)(せとうちネット・危険な生きもの)
- 公的機関 神奈川県環境農政局農水産部水産課(2025) カツオノエボシにご注意ください
- 資料 日本ライフセービング協会(2023) Vol.4 – カツオノエボシ
- 論文・英語 Bañón-Boulet E, Gonzalez-Arnay E(2025) The toxicity of Physalia physalis: systematic review and experimental study
- 動画・英語 BBC Earth The Deadly Portuguese Man O' War | Blue Planet II | BBC Earth
解説動画: カツオノエボシの正体と、刺されたときにしてはいけないこと/へんないきものチャンネル
カツオノエボシとは: 「電気クラゲ」と呼ばれるカツオノエボシの解説。名前は青い浮き袋が平安時代からの礼服の烏帽子に似ていることに由来する。実はクラゲの仲間ではなく、ヒドロ虫が役割ごとに姿を変えて集まった群体で、浮き袋・栄養・生殖・触手にパーツが分かれている。浮き袋は10cmほどでも、触手は10m、長いものは50mを超える。
刺されるとどうなるか: 電気を出す生き物ではないが、刺されると全身に電流が走るような激痛が出ることが呼び名の由来だという。刺された跡はみみずばれになり、3日ほど発熱が続くこともある。重症化すると頭痛や吐き気、アナフィラキシーショックで命に関わる。跡が50〜60年残った例もあると紹介している。
打ち上がっていても刺す: 毒針は自分の意思で刺すのではなく、触れた刺激で自動的に発射される仕組みで、死んでいても、砂浜に打ち上がっていても刺してくる。2022年6月には神奈川県の砂浜に大量漂着し、場所によっては1メートルおきに落ちていたという。泳ぐときはラッシュガードで肌の露出を減らすのが対策になるとしている。
やってはいけないこと: 応急は海水で患部を優しく洗い、触手が絡んでいれば取り除いてから冷やし、すぐ病院へとしている。真水をかける、酢をかける、温める、砂をかけるのは、どれもしてはいけない。酢が効くのはアンドンクラゲやハブクラゲで、刺した相手が分からないうちに使うと悪化する危険がある。