合わせ出汁(昆布とかつお)

出汁

合わせ出汁は、うま味を単独よりも数倍強く感じさせる出汁です。これは、昆布のグルタミン酸とかつお節のイノシン酸を合わせることで起こります。

どんな味?

昆布のグルタミン酸と、かつお節のイノシン酸を合わせたものです。この2つを一緒に使うと、それぞれ単独のときより、うま味を数倍強く感じます。これはうま味の相乗効果として知られる現象で、和食の土台になっています。受容体の研究をまとめた総説によれば、うま味を感じる複数の受容体のうち、グルタミン酸とイノシン酸を合わせて働くのはT1R1とT1R3という2種類が組み合わさった受容体だけだとされています。

使い方

昆布を水に30分以上浸けてから火にかけ、沸騰直前(60〜80℃)で引き上げます。そのまま沸騰させたら火を止め、かつお節を入れて1〜2分置いて、こす。かつお節は絞らないでください—— 雑味と濁りが出ます。一番だしで使った昆布とかつお節は、新しい水を足してもう一度煮出す「二番だし」に使えます。料理人設楽の料理道場は、二番だしは煮物や味噌汁に向くと話しています。

合わせ方

干し椎茸のグアニル酸を足すと、さらに複雑になります。同じ原理は洋食にもあり、トマト(グルタミン酸)と肉(イノシン酸)の組み合わせがそれです。動物性を使わない出汁を紹介するチャンネルTAONは、かつお節の代わりに干し椎茸を昆布と一緒に一晩浸けておくだけで同じうま味の相乗効果が働くとし、干し椎茸のグアニル酸はかつお節のイノシン酸と同じ核酸系のうま味成分だとしています。

保存

出汁は日持ちしません。冷蔵で2日、それ以上なら製氷皿で冷凍して小分けにします。

出典

  1. 論文・英語 Kurihara K(2015) Umami the Fifth Basic Taste: History of Studies on Receptor Mechanisms and Role as a Food Flavor
  2. 動画・英語 TAON | Japan's Fermented Foods 90% Don't Know: How to Make Rich Vegan Dashi Without Fish (Shiitake & Kombu)
  3. 動画 料理人設楽の料理道場 【プロ直伝】 和食の基本!カツオと昆布の出汁のとり方

解説動画: 一番だしの引き方 昆布は60℃で1時間、かつお節は火を止めてから/料理王国

8倍のうま味になる組み合わせ: 昆布から出るグルタミン酸と、かつお節から出るイノシン酸。この2つが合わさることでうま味が8倍になるのが自分たちの出汁だと説明している。それでいてカロリーはゼロ。出汁だけでは料理にならないので、京都の料亭の主人が一番だしを引き、そのまま煮物椀に仕立てるところまでを見せている。

昆布は60℃で1時間: 昔は20〜30分かけて沸点近くまで上げていたが、今は水1.8Lに昆布30g、60〜65℃のまま1時間置くやり方に変わったと話す。80℃まで上がると昆布の表面のぬめりが覆ってグルタミン酸が出てこないことが実験で分かったためだという。家庭なら60℃に設定できる電気ポットでも引けるが、メーカーは水以外を入れるなと書いているので壊れても責任は持てないと断っている。

かつお節は火を止めてから: 昆布を引いたら85℃まで温度を上げ、火を止めてからかつお節を入れる。イノシン酸の抽出は10秒で終わり、かつお節が沈んだらもう出きっているので、5分10分と置くより置かない方が澄んだ出汁になるという。それ以上の温度で炊くと、燻したときのタール分やかつお節の酸味・渋みまで出てしまう。

やりがちなミス: こすときに絞ると出汁が濁るので、自然に落ちるのを待つ。昆布の表面についた白い粉はうま味そのものだから洗い流さない(砂が付いていてもこせば取れる)。引いている間に浮く泡はアクと言われるが、集めて見ると透明で、ただの泡だと言う。昆布を1時間以上炊いても、それ以上は何も出ないと答えている。