急須

茶器

急須は、内部の茶こしの形式によって茶葉の開くスペースと味の濃さが変わる、日本茶用の道具です。

どんな道具?

急須は、日本茶を淹れるための土瓶型の道具です。内部の茶こしの形式(帯網・ささめ・かご網)によって、茶葉が開くスペースと味の濃さが変わります。台湾の大学の研究チームは、紫砂・朱泥・ステンレス・陶磁器・ガラス・プラスチックの急須6種で烏龍茶を淹れて比べ、宜興(中国)の朱泥・紫砂の急須はカテキン(EGC・EGCGなど)が多く、カフェインが少なかったと報告しています。烏龍茶での1つの結果で、常滑焼の朱泥急須は別に、鉄分が茶の渋み成分と反応してまろやかになるとされます(とこなめ観光協会の説明)。

選び方

網の形は、飲むお茶の種類で選びます。お茶専門店の店主が出演する動画によると、本体に穴をあけた「ささめ」は網目が細かく、細かい茶葉が出る深蒸し茶ではかえって詰まりやすいといい、深蒸し茶・粉茶には、注ぎ口の一点でなく茶こしが胴の全体に回る「帯網」のほうが、一点に詰まらず最後まで注ぎやすいと別の店主は話します。茶葉が泳ぐ空間が狭い「かご網」は、味が薄くなりやすいとも指摘されており、味を優先するなら空間の広い網を選びます。注ぐときに蓋が落ちないか、グリップの太さや重心の低さも確認します。

使い方のコツ

注ぐときは最後の一滴まで出し切ります。急須に茶葉と湯を残したままにすると、次の一煎が渋くなります。Nioteas TV(米国の茶葉販売元)は、目安として茶葉5gに湯150mlを使い、煎茶は1分、深蒸し煎茶は45秒、玉露は2分置いてから注ぐと説明し、二煎目以降は20秒ほどで十分とし、2〜3煎まで淹れ替えられるといいます。複数の湯呑みには少しずつ回し注ぎして濃さを揃えます。茶葉を入れたまま長く置くと苦みが増すため、飲み終わったら茶殻を早めに取り出します。

手入れ・注意

洗剤は使わないでください—— 土が匂いを吸うため、洗剤の香りも残ってしまいます。湯ですすいで茶葉をすぐに捨て、蓋を開けて完全に乾かします。とこなめ観光協会は、釉薬をかけない素焼きの急須は、使い込むほど光沢が増すと説明しており、Nioteas TV は同じ素焼きの急須を1種類の茶葉専用にすると香りがなじんでいくと述べます。異なる茶葉を使い分けるなら、匂い移りしにくい施釉の急須のほうが扱いやすいとされます。とこなめ観光協会によると、茶こしには本体に直接穴をあける「胴あけ」とステンレス製などがあります。茶渋は無理に落とさなくて構いません。

出典

  1. 論文・英語 Liao ZH ほか(国立中興大学ほか、台湾)(2018) Effect of teapot materials on the chemical composition of oolong tea infusions
  2. 資料 とこなめ観光協会 急須の魅力|常滑焼ポータルサイト
  3. 動画・英語 Nioteas TV(米国の茶葉販売元) Stop Ruining Green Tea! Brew It Properly With These Tips
  4. 動画・英語 Nioteas TV(米国の茶葉販売元) What is a Kyusu Teapot? Kyusu Brewing Guide and Kyusu Tokoname Benefits
  5. 動画 篠笛塩ちゃん(お茶屋の動画) 急須の種類と選び方
  6. 動画 富士のお茶屋さん くぼた園 【めちゃ便利】お茶屋さんがホントにおすすめする急須紹介します!

解説動画: 急須(陶器製)の洗い方【急須を長く大切に使いたい人必見】/名もなき茶師 / 新井製茶

素材で洗い方が変わる: 急須は大きく陶器製と磁器製に分かれる。陶器は土を素材にしているので吸水性が高く、磁器は焼成温度が高く吸水性が低い。この違いが手入れの仕方を分ける。

陶器に洗剤を使わない理由: 吸水性が高い陶器製は洗剤も吸収してしまい、淹れたお茶の味に影響する。流水と手で優しく洗うのが基本。茶こし部分は細いブラシを使う。茶こしが外れるタイプは、外すと戻すのが難しいので注意。

乾かし方が肝心: 急須は形が特殊で、普通に置いたままだと乾きにくく、雑菌やカビが発生しやすい。洗い終わったら必ず注ぎ口を下に向けて乾燥させる。急須を長く使うための、最も実務的な一手として挙げられている。