泉質図鑑

単純温泉(掲示用の泉質)

単純温泉は、溶存物質が1000mg/kg未満で、泉温が25℃以上の療養泉の名です。溶存物質(ガス性のものを除く)が1000mg/kg未満で、なおかつ湧出口での泉温が25℃以上であること。この二つだけで名前が決まります(環境省 鉱泉分析法指針 平成26年改訂、1-3(2))。特殊成分の限界値にも届かないため…

塩化物泉(掲示用の泉質)

塩化物泉は、陰イオンの主成分が塩化物イオンの塩類泉で、口に含むと塩の味がします。溶存物質(ガス性のものを除く)が1000mg/kg以上の塩類泉のうち、陰イオンの主成分が塩化物イオンのものです(環境省 2014、指針1-3(1))。ここでいう主成分はmval%が最も大きいイオンのことで、mg/kgの多さでは決めません。…

炭酸水素塩泉(掲示用の泉質)

炭酸水素塩泉は、陰イオンの主成分が炭酸水素イオンの塩類泉で、旧名は重曹泉などです。溶存物質1000mg/kg以上の塩類泉のうち、陰イオンの主成分が炭酸水素イオンのものです。指針1-3(1)2)の注記には、炭酸イオンのmval%が上回る場合も炭酸塩泉とはせず炭酸水素塩泉に含めるとあります。…

硫酸塩泉(掲示用の泉質)

硫酸塩泉は、陰イオンの主成分が硫酸イオンの塩類泉で、旧名は芒硝泉・石膏泉などです。溶存物質1000mg/kg以上の塩類泉のうち、陰イオンの主成分が硫酸イオンのものです(指針1-3(1)3))。陽イオンによってナトリウム・マグネシウム・カルシウム・鉄・アルミニウムの各型に分かれます。…

二酸化炭素泉(掲示用の泉質)

二酸化炭素泉は、遊離二酸化炭素が1000mg/kg以上あることで名前が付く泉質です。遊離二酸化炭素が1000mg/kg以上で名前が付きます(指針 第1-3表)。溶けた気体の量だけで決まるので、陰イオンの主成分は問いません。一方、温泉法第2条別表が常水と分ける境は遊離炭酸250mg/kg以上で…

含鉄泉(掲示用の泉質)

含鉄泉は、総鉄イオンが20mg/kg以上で付き、空気に触れると色が変わる泉質名です。総鉄イオン、つまり鉄(Ⅱ)と鉄(Ⅲ)の合計が20mg/kg以上で付く名前です(指針 第1-3表)。陰イオンの主成分は問わず、特殊成分の量だけで決まる泉質の一つに数えられます。塩類泉を兼ねる源泉では泉質名の頭に含鉄-が付き…

酸性泉(掲示用の泉質)

酸性泉は、水素イオンが1mg/kg以上あることで付き、pHでは決まらない泉質名です。水素イオンが1mg/kg以上あることで付く名前です(指針 第1-3表)。pHの値では決まりません。pHは水素イオン濃度の対数をとった液性の物差しで、同じpHでも溶けている量が違えば判定は変わります。…

含よう素泉(掲示用の泉質)

含よう素泉は、よう化物イオンが10mg/kg以上で付く、平成26年からの泉質名です。よう化物イオンが10mg/kg以上で付く名前です(指針 第1-3表)。平成26年の指針改訂で掲示用泉質名に加わった枠で、それ以前は独立した泉質名ではありませんでした。陰イオンの主成分は問わないため、実際には塩化物泉を兼ねる源泉が多く…

硫黄泉(掲示用の泉質)

硫黄泉は、総硫黄が2mg/kg以上で付き、硫化水素型の付記もある掲示用の泉質名です。名前の条件は総硫黄2mg/kg以上という一点です(環境省 2014)。総硫黄とは硫化水素イオン、チオ硫酸イオン、遊離硫化水素に対応するものを足した数字で、どれか一つの値ではありません。指針1-3(3)1)(e)はさらに…

放射能泉(掲示用の泉質)

放射能泉は、ラドンを111Bq/kg以上含む湯に付く、掲示用の泉質名の一つです。条件はラドン30×10のマイナス10乗Ci/kg以上で、同じ量が111Bq/kg、8.25マッヘ単位とも書かれます(環境省 2014)。三つ並ぶのは、キュリー・ベクレル・マッヘと使われてきた単位が時代ごとに違うためで…

酸性(液性・浸透圧・泉温の区分)

酸性は、湧き出たときのpHが3未満であることを指し、酸性泉とは別の液性の区分です。この語が見ているのは成分の量ではなく、湧出時のpHが3未満かどうかです(環境省 2014、指針1-2(2))。水素イオン1mg/kg以上で付く酸性泉とは、量る欄が違います。液性は湧いた湯を測ったpHから…

弱アルカリ性(液性・浸透圧・泉温の区分)

弱アルカリ性は、pHが7.5以上8.5未満のときの、五段階ある液性の区分の一つです。pHで分けた五段階の一つで、7.5以上8.5未満がここに入ります(環境省 2014、指針1-2(2))。同じ表は残りを酸性が3未満、弱酸性が3以上6未満、中性が6以上7.5未満、アルカリ性が8.5以上と刻みます。…

アルカリ性(液性・浸透圧・泉温の区分)

アルカリ性は、pHが8.5以上の液性で、泉質名の中へ入ることもある唯一の区分です。pH8.5以上がこの区分です(環境省 2014、指針1-2(2))。ほかの液性と違うのは名前への入り方で、単純温泉と単純冷鉱泉に限っては、泉質名そのものが「アルカリ性単純温泉」に変わります(指針1-3(2)と脚注)。…

低張性(液性・浸透圧・泉温の区分)

低張性は、溶存物質が8 000mg/kgに満たない湯を指す、浸透圧の区分の一つです。物差しは二本あり、どちらか一方で決まります。溶存物質(ガス性のものを除く)が8 000mg/kg未満、または凝固点がマイナス0.55℃以上です(環境省 2014、指針1-2(3))。遊離二酸化炭素や遊離硫化水素は…

等張性(液性・浸透圧・泉温の区分)

等張性は、溶存物質8 000mg/kg以上10 000mg/kg未満の区分です。溶存物質でいえば8 000mg/kg以上10 000mg/kg未満、凝固点でいえばマイナス0.55℃未満マイナス0.58℃以上がこの帯です(環境省 2014、指針1-2(3))。幅は2 000mg/kgぶんしかありません。…

高張性(液性・浸透圧・泉温の区分)

高張性は、溶存物質が10 000mg/kg以上の湯の区分で、強塩泉の付記とは別です。境目は溶存物質10 000mg/kg以上、凝固点ならマイナス0.58℃未満です(環境省 2014、指針1-2(3))。紛らわしいのが塩化物泉に付く強塩泉の付記で…

冷鉱泉(液性・浸透圧・泉温の区分)

冷鉱泉は、湧き出たときに25℃に満たない鉱泉の区分で、温泉に当たる湯も含みます。この名前は成分ではなく、泉温25℃未満という温度だけで付きます(環境省 2014、指針1-2(1))。温泉法第2条別表は温度と物質を「又は」でつなぐため、25℃に届かなくても19の物質のどれかが規定量に達していれば温泉です。…

低温泉(液性・浸透圧・泉温の区分)

低温泉は、25℃以上34℃未満で採れた鉱泉の区分で、泉質名の後の括弧に入ります。ここも中身は温度だけで、25℃以上34℃未満が低温泉です(環境省 2014、指針1-2(1))。同じ表のすぐ上の段は34℃以上42℃未満で、その区分名がまた「温泉」になります。…

高温泉(液性・浸透圧・泉温の区分)

高温泉は、源泉から採取したときに42℃以上ある鉱泉の区分で、浴槽の温度とは別です。名前を決めるのは成分ではなく、42℃以上という泉温です(環境省 2014、指針1-2(1))。この温度は源泉から採取したときのもので、温泉法上の温泉を定める第2条別表も温度の項に「温泉源から採取されるときの温度とする。…

泉質名の横棒(組み合わせ名の読み下し)

泉質名の横棒は、名前を特殊成分・陽イオン・陰イオンの三つの区画に切り分ける記号です。三つの区画を埋めるのは、特殊成分と、陽イオンの主成分と、陰イオンの主成分です。指針1-3(1)は主成分をミリバル値が最も大きいものと定め、陰イオンの主成分によって塩化物泉・炭酸水素塩泉・硫酸塩泉に分かれ…

中黒で並ぶ副成分(組み合わせ名の読み下し)

中黒で並ぶ副成分は、mval%が20.00以上の成分を、同じ区画に並べる記号です。並ぶのは、mval%が20.00以上の成分だけです。指針1-3(6)はこれを多い順に列記して塩類泉を細分類すると定め、例示に「ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉」を挙げています(環境省 2014)。…

泉質名の頭書き(組み合わせ名の読み下し)

泉質名の頭書きは、特殊成分が限界値以上あるときだけ名前の前に付く、六つの語です。頭に立つのは第1-3表の限界値以上に含まれる特殊成分だけです。指針1-3(4)が定める表記順位は酸性、含硫黄、含二酸化炭素、含放射能、含鉄、含よう素の六つで、この順に並べます。限界値は1kg中で水素イオン1mg、総硫黄2mg…