浴室の作法

タオル・髪・洗い場・場所取り・会話の作法。

浴室の作法は、同じ湯を後から入る人と分け合うための決まりです。浴槽に入る前に身体を洗うことなどの注意は、入浴料金や営業時間と並べて脱衣室の見やすい場所に掲示されます(厚生労働省「公衆浴場における衛生等管理要領」)。服を脱ぐ前に、施設ごとの「入浴者の心得」を1度読んでおくと、ほかの施設との違いもそこで分かります。

洗い場では、腰掛に座って身体を洗います。浴槽に入る前に石けんなどで身体をよく洗うことは、要領が入浴者への注意として施設に求める項目で、かけ湯を数杯かぶるだけでは届きません。シャワーは慣れないと隣の人に湯がかかるので、向きを自分の身体へ向けて使います(東京都浴場組合)。使い終えた洗い桶と腰掛は湯で流してから元に戻し、席を空けます(Mirko)。浴槽の中で身体を洗うことと浴室での洗濯は、施設が止める行為として要領に並んでおり、洗うのは洗い場、浸かるのは浴槽という洗い場と浴槽の使い分けの根になっています。

タオルは浴槽に入れません。浴槽水の清潔を保つためにタオルを入れないことは、温泉の掲示基準の「その他」の欄にも書かれています(環境省)。湯に触れさせないのが原則で、小さいタオルは頭の上か浴槽の縁に置きます(観光庁、Japan Guide)。長い髪は束ねて、湯につからないようにします(観光庁、東京都浴場組合)。浴槽の縁に腰を下ろすのも、縁に頭をもたせかけて休む人がいるため避けます(Japan Guide)。

浴槽の中では、手足を軽く動かす程度にして静かに浸かります(環境省)。静かに休みたい人が多いため、大声の会話は控え、泳ぐこともしません(観光庁、Japan Guide)。熱い湯を水でうめたいときは、一緒に入っている人に断ってから水を足します(東京都浴場組合)。湯温と浸かる時間は、入浴の温度と時間の目安で区切ります。

上がるときは出るときのすすぎを済ませ、濡れた身体をタオルでよく拭いてから脱衣所へ戻ります(東京都浴場組合)。脱衣所の床を濡らさないことも、次の人と場所を分け合う作法の一部です。酒に酔った状態での入浴は、施設が断る側の決まりとして飲酒と入浴にまとめてあります。

やりがちな失敗は、作法を一つずつの動作として覚え、目的を取り違えることです。かけ湯をしたから洗わなくてよい、タオルを縁に置いたから髪はそのままでよい、という省き方は、どれも浴槽の湯へ汚れを持ち込む点で変わりません。迷ったときは、浴槽の湯に持ち込むものを減らす側を選びます。

この節に出てくる図鑑の項目

出典