上がったあとの過ごし方

水分・休憩・肌の手入れと、帰り道の注意。

上がり方は、浴槽の中から始まります。消費者庁は、浴槽から急に立ち上がらないよう呼びかけています。生理学の専門誌に載った無作為の交差試験では、健康な成人23人が40.4℃の湯に60分浸かったあと、拡張期血圧と平均血圧が浸からない条件より下がり、低下は加温後20分ほどで戻りました。健康な成人を対象にした研究を6件まとめた系統的レビューでも、温水に浸かると拡張期血圧が約5mmHg下がる向きが示されています。立ち上がる・歩き出す・服を着るの三つは、間を置いて進めます。

湯から出て最初に決めるのは、水を飲むかどうかです。栃木県は、脱水状態にならないよう入浴前と入浴後の水分補給を忘れないようにと書いています。入浴前後の水分補給のとおり、浴室と脱衣室には水を飲める設備が1か所以上置かれているので、帰り支度の前に寄れます。運動後の成人12人を調べた研究では、39℃の湯に30分浸かった条件のほうが、浸からずに休んだ条件より体重の減りと発汗の速さが大きくなりました。温泉の浴槽を測った研究ではないので、量をそのまま当てられませんが、湯に浸かると汗で水分が出ることの裏づけにはなります。

休憩は、湯に入る時間と回数から決まります。栃木県は、慣れるまでは3分から10分を1回か2回、慣れてきたら15分から20分を2回か3回までとする目安を挙げています。消費者庁の湯温41度以下・10分までという目安は、入浴の温度と時間に続きます。続けて入るつもりなら、休息室で座り、汗が引くまで待ってから次の湯へ向かいます。食事の直前と直後、酒を飲んだあとの入浴は、栃木県も消費者庁も控えるよう書いています。飲酒と入浴は、施設が入浴を断る側の決まりです。

肌の手入れは、泉質と自分の肌で分かれます。栃木県は、温泉成分を残すため身体についた成分は洗い流さずタオルで拭き取るよう書き、刺激の強い酸性泉や硫黄泉では肌の弱い人は温水などで洗い流すよう添えています。衛生の側の手順である出るときのすすぎとは目的が違うので、掲示の注意書きを読んでから決めます。看護の研究者が出した短報では、片手だけを10分温める部分温浴のあと、角層の水分量が上がった状態で保たれ、水分の蒸散は温浴中に増えてから元へ戻りました。全身で湯に浸かる場面を測ったものではありません。濡れたまま脱衣室へ戻らず、浴室のうちに水気を切ります。

帰り道で気をつけるのは、寒暖差です。消費者庁は、温かい室内と寒い脱衣所や浴室の寒暖差が急な血圧の変動につながると、入浴前の注意として説明しています。冬は髪と首の水気を拭き切り、上着を着てから外へ出ます。浴槽に入る前のかけ湯と同じで、外気にも段を踏んで移ります。車で来た日は、湯上がりの一杯を帰り着いてからに回します。高齢者と子ども、身体の不自由な人は1人きりでの入浴を避けるよう栃木県が書いており、上がったあとの異変に気づくのも連れの目です。

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