出格子
外まわりの造作
出格子は、格子入窓を建物の外壁より前へ張り出させて取り付けた、町家に多い格子です。
形
出格子は、格子入窓が建物の外へ張り出したものです。格子入窓は、動かない格子を窓の枠にはめ込んだ窓で、JAANUS(英語の日本建築用語辞典)は、外へ張り出したものを出格子窓と呼んで説明します。格子は光や風を通しながら視線を遮ります。京都市の「京町家のいろは」は、その形が糸屋格子・染屋格子などと呼ばれ、元は職業ごとに異なっていたと記します。
形の理由
格子は光と風を通しながら、外からの視線を遮ります。京都市文化財保護課は、格子窓について、外を歩く人からは家の中が見えにくく、家の中からは外がよく見えるという防犯機能を持つと説明します。二階が下の柱の線より張り出すはね出し二階では、正面に出格子窓を付けて張り出しをさらに増すことが多かったと、JAANUSは説明しています。
見分けの決め手
格子が壁の線より前へ出ているかを見ます。張り出していなければ、JAANUSの言う出格子窓にはなりません。京都市の「京町家のいろは」は、西洋文化の影響も受けて、大正末期からは出格子の腰に石やタイルを貼り、上部に金属製の格子を設けるようになったと記します。腰の石やタイル、上の金属の格子が見えたら、大正末期以降の形と照らして見ます。
取り違えやすい相手
虫籠窓と取り違えやすいものです。虫籠窓は、2階の窓の竪格子を土で塗りこめたものです。京都市は、明治期までの京町家では、通りの向かいからの延焼防止を図っていたと説明します。張り出しの有無と、格子が土で塗られているかで分けます。はね出し二階は、二階が柱の線より張り出す造りで、出格子は窓の格子が前へ出るものです。格子戸は、出格子と並べて外観の共通の要素に挙げられる別の建具です。
見られる地域
出格子は町家の通りで見られます。京都市は、京町家の外観の要素に出格子を挙げ、表に店舗を持たない仕舞屋では、表の窓の開口部(出格子)が小さくなっていると記します。奈良県橿原市今井町の修景基準は、通りに面する1階の開口部を、原則として木製の格子構えなどとしています。滋賀県彦根市の河原町芹町は、町家が残る商家町で、平成28年に重要伝統的建造物群保存地区に選ばれています。格子の内側は住まいなので、のぞき込まず道から見ます。
出典
- 公的機関 京都市 京町家のいろは たてものとくらしの基本帖
- 公的機関 京都市文化財保護課 京町家とその暮らしの文化(まち・ひと・こころが織り成す京都遺産)
- 資料・英語 JAANUS(アツミ国際奨学財団が構築、コロンビア大学メディアセンターが運営) hanedashi nikai はね出し二階(JAANUS 日本建築・美術用語の英語辞典)
- 資料・英語 JAANUS(アツミ国際奨学財団が構築、コロンビア大学メディアセンターが運営) kōshi irimado 格子入窓(JAANUS 日本建築・美術用語の英語辞典)
- 公的機関 橿原市 今井地区 町家修景ガイドブック
- 公的機関 彦根市 彦根市河原町芹町(滋賀県)(重要伝統的建造物群保存地区の概要)
