/ɜːr/
r音性母音
/ɜːr/は、bird・hurt・earthのように、つづりがir・ur・earでも同じ音になる、舌を奥に引いて丸めるこもった響きの母音です。記号は2つでも母音に後からrを足すのではなく1つの音で、「アー」でも「ウー」でもありません。日本語話者は「アー」で代用しがちですが、舌を丸めないとrの響きが出ません。
どんな音?
母音を出しながら舌を奥に引いて丸める音で、「アー」でも「ウー」でもないこもった響きになります。bird・hurt・earth のように、つづりが ir・ur・ear でも同じ音です。Rachel's English(アメリカ英語)は、記号は2つでも母音のあとに r を足すのではなく1つの音だと説明し、イギリス英語では r を発音せず舌も丸めない母音になると比べます。
口の作り方
口を半分開けて「ア」と言いながら、舌先をどこにも触れさせずに持ち上げて奥へ丸める。Rachel's English は、唇の両端を内側に寄せて少し前へ出し、舌の真ん中を上あごへ向けて上げると説明します。舌の形は人によって違います。Zawadzki ら(1980)は3人の話者の高速X線動画で、舌先を反らせたのは1人、あとの2人は舌の背を盛り上げていたと報告しています。
日本語とのちがい
日本語話者は「アー」で代用しがちですが、舌を丸めないと r の響きが出ません。逆に、この舌の形さえ作れれば、r の付く語はすべて楽になります。Zhou ら(2008)は、舌先を反らせる話者と舌の背を盛り上げる話者の2人を MRI で調べ、r の第1〜第3フォルマントのパターンはよく似ていたと報告しています。
この音を含む語
bird, her, turn, work, first, girl
出典
- 資料・英語 Rachel's English English: How to Pronounce [ɜ] UR Vowel
- 資料・英語 Rachel's English American vs. British English – Vowel Sounds – Pronunciation differences
- 論文・英語 Zawadzki PA, Kuehn DP(1980) A cineradiographic study of static and dynamic aspects of American English /r/
- 論文・英語 Zhou X, Espy-Wilson CY, Boyce S, Tiede M, Holland C, Choe A(2008) A magnetic resonance imaging-based articulatory and acoustic study of "retroflex" and "bunched" American English /r/
解説動画: earn の母音はシュワーではない 舌を引く r 母音の作り方/Yumi's English Boot Camp
シュワーとは別の音: earn の母音はシュワー(曖昧母音)ではないのか、という視聴者の質問に答える回。発音記号は似ているが、これは r とくっついて合体した1つの r 母音で、シュワーと違って喉の奥を鳴らす成分が入るのが決定的な違いだと説明している。記号が似ているぶん取り違えやすい音として扱っている。
口と舌の作り方: 舌をギュッと引いて舌の根元が盛り上がる形にし、喉を締めて奥を鳴らすのが作り方で、舌先はどこにも触れさせない——触れるとラリルレロに近い日本語の r になってしまう。口の中は自分では見えないぶん思い切り引くよう勧め、口の形と舌の動きを意識させている。毎日数分でも3〜4日続けるとだんだん近い音が出せるようになるという。
語尾の n でやりがちなミス: earn、burn、learn、turn は最後が n なので、いったん奥へ引いた舌を、もう一度上げて閉じ直す必要がある。引いたままだと「えん」のような日本語の音で終わってしまう。引く・戻すの二段構えがこの語群のポイントだとしている。
強いときと弱いときの違い: teacher や father のように語尾に来る er や or はストレスが乗らない弱いバージョンで、強く伸ばさず軽く喉を流す。強いときと弱いときで音そのものは同じで、違うのは長さだけ——ストレスが乗れば長め、乗らなければ短め、という差として覚えておくよう説明している。