言われている数字図鑑 | オトモアグリ

言われている数字図鑑・コストと規模の説

停電で霧が止まると数分で枯れる?

停電で霧が止まると数分で枯れるというのは、枯れるまでの時間が測られていない説です。

判定

測った資料が見当たらない

言われていること

「根がむき出しだから、霧が止まれば数分で乾いて枯れる」「だから予備の電源が要る」という説明が、栽培の手引きや装置の紹介でくり返されます。根が空気の中にあるという構造から結論を引いた言い方で、何分で何が起きるかの根拠は添えられません。効くのは気づいたら霧が出ていない状態が何時間続いたかのはずですが、その目盛りがありません。

測った人・対象・方法

国際ポテトセンター(CIP)の種いも生産マニュアル(Otazú 2010)は、暑い時間帯はとくに、1時間を超えて電気が来ない状態にしないと書いています。10年の経験をまとめた続編(CIP 2019)は、停電と灌水系の故障を最も重い危険要因に置き、金曜の夜に壊れて月曜まで直らなければ枯れる、と例を挙げます。運用の決めごとで、測った境目ではありません。

測った結果

段階に分けて比べた公開データは見当たりません。近いのは Tunio ら 2021(Agronomy 11(1):97)の噴霧間隔で、5分噴霧・30/45/60分間隔という設計です。つまり1時間近く霧が来ない区でもレタスは育っています。CIP のキト(エクアドル)の記録では、低温期は22時から4時まで噴霧を止めて運転していました。どれも枯死までは見ていません。

正しい言い方

止まれば乾くのは確かです。ただし「数分」という数字には出どころがありません。運転そのものが15分おきに十数秒といった間欠で、止まっている時間は常にあります。効くのは止めた長さだけでなく、そのときの気温と湿度、株の大きさです。霧が止まっているあいだに何が起きるかは、休止時間の決めかたの側から読みます。

出典

  1. 公的機関・英語 International Potato Center (CIP)(2010) Manual on quality seed potato production using aeroponics
  2. 論文・英語 Tunio MH, Gao J, Lakhiar IA, Solangi KA, Qureshi WA, Shaikh SA, Chen J(2021) Influence of Atomization Nozzles and Spraying Intervals on Growth, Biomass Yield, and Nutrient Uptake of Butter-Head Lettuce under Aeroponics System