空を見る道具図鑑

双眼鏡(見るための道具)

双眼鏡は、肉眼では潰れる空の細部を、倍率をかけて粒の一つずつに分けて見せる道具です。肉眼では一つの面に見えていたものが、粒の集まりに分かれます。波状雲の並びは、離れて見れば灰色の縞ですが、拡大するとひと粒ずつの丸みと影まで数えられるようになります。幻日も同じで、太陽側が赤…

偏光フィルター(見るための道具)

偏光フィルターは、回すと青空を濃く沈ませ、白い雲との明暗の差を開くための道具です。青空の光は、振動の向きが偏っています。空気の分子に散らされてこちらへ届く光は太陽から90度離れた方向でいちばん強く偏り、ケンコー・トキナーの解説もそこを効きの最大になる位置としています。…

魚眼レンズ(見るための道具)

魚眼レンズは、画角180度で地平線の一周から天頂までを1枚に収めるためのレンズです。画角180度は、真上へ向けたときに地平線の一周から天頂までが1枚に入る広さです。空の光は太陽からの角度で位置が決まるので、この広さが要るかどうかは追う相手で変わります。内暈は視半径22度ですから普通の広角でも収まりますが…

マクロレンズ(見るための道具)

マクロレンズは、2〜3cmまで寄って雪の結晶の枝ぶりを大きく写すためのレンズです。雪の結晶や霜の形は、肉眼の外側にあります。気象庁『気象観測の手引き』は雪を「空気中の水蒸気が昇華してできた氷の結晶の降水」と定め、星状・角柱状・板状という形の別まで書いていますが…

三脚(見るための道具)

三脚は、同じ場所から同じ画角で撮り続け、雲の動く向きを写真の差で残すための台です。同じ場所・同じ画角に固定した写真は、時間で並べたときに初めて意味を持ちます。気象庁の地上気象観測は雲について、雲形と雲量に加えて雲の向きを目視でとってきました。三脚は手元でその向きを残すための道具で、画面の端を基準にすると…

プリズム(見るための道具)

プリズムは、白い光を曲がる角度の差で色に分け、暈や虹の色の並びを見せるガラスです。入る角度によって、色ごとの曲がり方が違います。三角プリズムを通した光を紙に映すと、赤から紫までが決まった順で並びます。空で同じことをしているのは氷の結晶で…

アネロイド気圧計(測る道具)

アネロイド気圧計は、気圧を針の位置で読み、前に合わせた針との差で動きを見る測器です。気圧は、その場所の上にある空気の重さを面で受けた量です。アネロイド式は空気を抜いた金属の器が外の気圧に押されてわずかにへこむ量を、てこで拡大して針に伝えます。読み取れるのは目盛りが指す値そのものより前に合わせておいた針との差で…

通風乾湿計(測る道具)

通風乾湿計は、乾いた球と湿らせた球の二本の温度差から、湿度と露点を出す測器です。二本の温度計の差だけで、湿度と露点が出ます。片方の球をぬらしたガーゼで包むと、水が蒸発するぶん熱を奪われて乾球より低い温度で釣り合い、空気が乾いているほど差が開きます。同じ気温でも、差が小さいほど空気は水蒸気で満たされています。…

転倒ます型雨量計(測る道具)

転倒ます型雨量計は、降った雨を二つのますが交互に傾く回数に置き換えて数える測器です。受水口の水を、二つに仕切ったますが交互に倒れる回数に置き換えて数えます。気象庁の雨量計は内径20cmの受水口を持ち、片方に決まった量がたまると傾いて水を捨て、反対側が受けます。降水量が0.5mm単位なのはこの刻みによります。雪やあられ…

方位磁針(測る道具)

方位磁針は、見えている雲や空の光がどの方角にあるかを、数字で言うための道具です。見えているものが空のどの方角にあるかを書き留められるようにします。同じ雲でも、南の空に立っているのか西から流れてきたのかで記録の意味が変わり、方角を添えておくと後から読み返せます。内暈や幻日は太陽を中心に並ぶので…

放射温度計(測る道具)

放射温度計は、物に触れずに、面から出ている赤外線の量で、その面の温度を読む測器です。物に触れず、面から出ている赤外線の量で温度を読みます。空へ向けると読みは大きく動き、晴れた天頂は氷点下の深いところまで下がり、雲が覆うと雲底に近い値まで上がります。…

角度計(測る道具)

角度計は、水平から何度上かを数字にし、太陽高度や空の光の位置を測るための道具です。水平から何度上かを数字にします。この図鑑の目印は角度で、環天頂アークは太陽高度32度以下、環水平アークは58度以上でしか出ません。いま太陽が何度にいるかが分かれば、探して意味のある形かどうかが決まります。…