星のある風景を撮る

固定撮影の設定と、明かりの配慮。

星のある風景は、三脚に固定したカメラのシャッターを十数秒から数十秒開けて撮ります。赤道儀で星を追わないこの撮り方を固定撮影と呼びます。決める順は、ピント・露出時間・感度と絞り・明かりの扱いの四つです。前の三つはカメラの中で決まり、最後の一つは周りで同じ空を見ている人に関わります。

ピントは、暗くなる前に合わせておくと楽です(BBC Sky at Night Magazine)。暗くなってからなら、明るい星にカメラを向け、ライブビューの画面を拡大して、星がいちばん小さな点になるまでピントリングを少しずつ回します。もう一つの手は、15mほど先に置いた懐中電灯でオートフォーカスを合わせ、すぐ手動に切り替えて二度と触らないことです(Mike Meynell、英国天文協会の資料)。合わせたあとでリングに触れると、全部の写真がにじみます。

露出時間は、地球の自転で星が動くことから上限が決まります。広角レンズなら10〜30秒がよく使われ、星の流れは目立たない程度に収まります。上限の目安は「500ルール」で、500を35mm判に換算した焦点距離で割った秒数を超えると、星が点から線に伸び始めます(同資料)。24mmのレンズならおよそ20秒です。目安は出発点なので、試し撮りを拡大して、星が点かどうかを確かめてから本番に入ります。シャッターはボタンを指で押さず、リモートレリーズで切ると揺れが入りません。

感度と絞りは、光を集める側に寄せます。絞りはレンズの開放(広角ならF2.8前後)から始め、感度はISO800、カメラによっては1600〜3200まで上げます(BBC Sky at Night Magazine・英国天文協会の資料)。記録はRAWにしておくと、色と明るさを後から整えられます。長秒時ノイズ低減はホットピクセルと呼ばれる明るい点を消せますが、撮影と同じ時間をもう一度使うので、1枚にかかる時間が倍になります。スマートフォンの夜景モードでも長い露光で星が写り、その場合も三脚か動かない台に載せます(同資料・米国国立公園局)。

写った1枚は、目で見た空より明るく、色も濃く出ます。カメラは数十秒ぶんの光をためるからで、天の川の帯や星の色の差は目には写真ほど出ません(天の川は写真のように空を横切る・星は写真のように色とりどりに見える)。何十本も流星が走る写真も、多くのコマを重ねた結果です(流れ星は写真のように次々に流れる)。写真と目の違いを知っておくと、空を見上げたときの落差にがっかりせずに済みます。

明かりは、自分の目と周りの目の両方に効きます。暗順応が整うまで20〜30分かかり、白い懐中電灯やヘッドランプは自分と周りの暗順応を一度で崩します。手元を照らすのは赤色ライトにし、スマートフォンの画面も明かりになると心得ます(米国国立公園局)。撮った写真を見返す背面の画面も、明るさを下げておきます。街灯が入るなら、光の来る側をカメラから遮ります(BBC Sky at Night Magazine)。光害の強い方角は空そのものが明るいので、構図を決める前にその方角をつかんでおきます。

やりがちな失敗は、ピントの確認を省いて全部の写真をにじませることと、露出を延ばしすぎて星を線にすることです。ピントと露出時間が合っていれば、広角レンズの20秒前後の1枚に、目で数えられるより多くの星が点で並びます。

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