予報と見比べる

天気予報の言葉と、実際の空を照らし合わせる。

予報の言葉と空を照らし合わせるときは、見る順を決めておくと迷わない。はじめに言葉が指している範囲と時間を確かめ、次に頭上の雲の量を数え、最後に同じ時刻の実況天気図で記号を読む。言葉と空が食い違って見えるときの原因は、空よりも範囲と時間の取り違えにあることが多い。

府県天気予報は、府県予報区を地域ごとに細分した一次細分区域の単位で、毎日5時・11時・17時に発表される。向けられているのは区域の全体で、自分が立っている一点ではない。「所により」は、現象の発現域の合計面積が対象予報区全体の50%未満のときに使う語で、実況に対しては「ところどころ」を使う。頭上に雨が落ちていないことは、区域に出た言葉が外れた証拠にならない。

時間帯の語にも定義がある。未明は午前0時から3時頃まで、明け方は3時頃から6時頃まで、朝は6時頃から9時頃まで、昼前は9時頃から12時頃まで、昼過ぎは12時頃から15時頃まで、夕方は15時頃から18時頃まで、夜のはじめ頃は18時頃から21時頃までを指す。夕方は日の暮れ頃を指す語だが、予報用語としては15時頃から18時頃の意味で用いる。「一時」は現象が連続的に起こり、その発現期間が予報期間の4分の1未満のとき、「時々」は断続的に起こり、合計時間が予報期間の2分の1未満のときに使う。連続的と断続的の境目は、現象の切れ間がおよそ1時間にある。

降水確率は、予報区内で1mm以上の雨が降る確率を6時間ごとに10%単位で示した値である。確率が高いほど雨量が多いという意味ではない。6時間ごとの刻みで並ぶため、1つの数字が指しているのは1日ではなく、その区切りの中で雨が降るかどうかになる。

空の側で数えるのは全雲量である。空全体を10として、雲が覆う割合を0から10までの整数で表す。全雲量1以下が快晴、2以上8以下が晴れ、9以上で降水現象がなければ曇りにあたる。ただし全雲量9以上でも、見かけ上、上層の雲が中・下層の雲より多い状態は薄曇りで、地物の影ができることが多いため予報では「晴れ」として扱われる。地面に影が出るかを見ると、曇りと薄曇りの境目は自分で付けられる。快晴は予報文には用いない語で、予報の「晴れ」は、快晴または晴れの状態と、薄曇りで地物の影ができる状態までを含む。

言葉と雲量を数えたら、同じ時刻の実況天気図に移る。日本周辺域の実況天気図は3・6・9・12・15・18・21時の観測をもとに、観測時刻の約2時間10分後に発表される。アジア太平洋域は3・9・15・21時の観測で、約2時間30分後になる。図の上で先に見るのは観測点の天気記号で、丸の塗り具合が全雲量にあたり、自分が数えた割合と同じ物差しで並んでいる。丸から伸びる棒は風の矢羽根で、棒の向きは風が吹いてくる方向を指す。高気圧と低気圧の記号は点ではなく閉じた等圧線に囲まれた面の印で、字の下の×が中心の位置にあたる。中心が動く向きと速さは移動の矢印と速度が受け持ち、英語版はノット、日本語版はkm/hで書かれる。

初めてのうちに起きやすい取り違えは3つある。1つめは、区域に向けた言葉を頭上の一点だけで判定すること。2つめは、時間帯の語を生活の感覚で読むことで、夕方を日が暮れる頃と受け取ると15時台の雨が数えられない。3つめは、降水確率を雨の強さと読むことである。見比べた結果は、言葉の正しさを採点するためではなく、言葉が指していた範囲と時間を確かめた記録として残す。見た空から先の空を言い当てる読み方は、照らし合わせには含めない。

この節に出てくる図鑑の項目

出典