防湿ケースと除湿剤・防虫剤
収納・持ち運び
防湿ケースと除湿剤・防虫剤は、道具は使っている時間よりしまっている時間のほうが傷むという事実をふまえ、密閉できる箱に乾燥剤を入れて劣化をほぼ止める備えです。レンズの内側に生えるカビ、革の表面に浮く白い粉、金属の錆、毛糸や着物の虫食いは、押し入れの湿気がこもる場所で静かに進みます。木の楽器や革、フィルムは乾かしすぎても傷むため、湿度が読める湿度計付きの箱だと迷いません。防虫剤は種類を混ぜると衣類にしみが出ることがあるので、一種類にそろえると安全です。
どこに効くか
道具が傷むのは、使っている時間よりしまっている時間です。レンズの内側に生えるカビ、革の表面に浮く白い粉、金属の錆、毛糸や着物の虫食い、木の楽器の割れ。どれも押し入れやクローゼットの、湿気がこもって温度が動く場所で静かに進みます。密閉できる箱に乾燥剤を入れておくだけで、このしまっている間の劣化がほぼ止まります。特別な道具だけの話ではありません。久しぶりに出したら使えなかった、というのは再開の一回目をそのまま潰します。しかも気づくのは、やる気になった日です。買い直せば済む物ばかりでもなく、もう手に入らない道具ほど、湿気のこもる場所に眠っています。
選ぶときに見るところ
電源の要らない密閉ボックスに乾燥剤を入れる形か、電気で湿度を保つ防湿庫か。木の楽器・革・フィルムは乾かしすぎても傷むので、湿度が読める湿度計付きだと迷いません。乾燥剤には使い切りと、加熱して繰り返し使える型があります。防虫剤は種類を混ぜると衣類にしみが出ることがあるので一種類にそろえてください。まずは密閉できる衣装ケースと市販の乾燥剤で足ります。防湿庫が要るかどうかは、一年しまってみて曇りやカビが出たかで決めれば十分です。置き場所が窓際や外壁沿いなら、箱を替えるより先に置き場所を変えるほうが効きます。
解説動画: カメラやレンズがカビる前に。防湿庫とドライボックスの違いと選び方!/ログカメラ
カビが動き出す条件: カビは気温20℃以上・湿度50%以上で育ち、60%を超えると目に見えて活発になります。日本の年平均湿度は60〜70%で、梅雨だけでなく暖房の効いた冬の室内も危ない。レンズにカビが出ると写真が白っぽくなり、修理に出しても直らないことがあるので、しまい方を先に決めておきます。
箱と乾燥剤と湿度計: 蓋にパッキンが付いて密閉できる箱に、乾燥剤を入れるのが基本形です。乾燥剤を蓋の裏に留められる作りのものが多く、湿度計も一緒に入れておくと今何%か分かります。狙いは40〜50%。40%を下回るとカメラのゴム部品が劣化するので、乾燥剤を詰め込んで下げすぎないように。
弱点は交換忘れと容量: 乾燥剤は吸いきると効かなくなり、忙しいと交換を忘れて中の湿度が下がらないまま、という失敗が起きます。9.5Lほどの箱でカメラ1台とレンズ4〜5本が目安で、機材が増えると入りきらない。上から開ける形なので、重ねると下の箱が出しにくくなるのも弱点です。
しまう前に汚れを落とす: 埃や指紋の油分はカビの栄養になります。収納する前にブロアーで吹き飛ばし、柔らかい布で優しく拭き取ってから入れる。汚れが残っていると乾燥剤の効きも鈍ります。予備の電池やフィルター、ストラップなどの小物も一緒に入れておけば、まとめて湿気から守れます。