アオリイカ
イカ・タコ・甲殻類
アオリイカは、春は大型が接岸し秋は数釣りできる
見分け方
体の縁全体を囲む丸く大きなエンペラ(ミミ)が特徴で、これが名前の由来(障泥=あおり)とされます。胴は丸みがあり、コウイカのような硬い甲は持ちません。頭足類の多くは約1年で産卵後に死ぬと Kubo ほか(2025)は書き、飼育したメス1匹が6〜7月に1〜9日おきに11回産み、卵は計7,780個だった例もあります(Wada・Kobayashi, 1995)。
釣れる時期・場所
春に産卵のため大型の親イカが接岸し、主に夏に孵った新子が秋に数釣れます。春は大きさ、秋は数と覚えると分かりやすいです。京都沖の調査(Wada ほか, 1995)では、水温が16℃を超えた5月半ばに成熟したメスが沿岸へ寄って産卵しました。紀伊水道外域の卵塊の調査(Ueta ほか, 1992)は、産卵のピークを5〜7月、孵化のピークを6〜8月と推定しています。
釣り方
エギング。着底したら竿をしゃくって糸ふけを巻き取り、またエギを沈めます。YAMASHITA Maria(メーカー公式)は、しゃくりは浅場で1〜2回・水深があれば3〜4回までとし、イカが抱くのはエギが沈む間と説明します。昼は糸が急に走る・竿先が引っ張られるのが当たり。夜は糸が見えにくいので、しゃくって糸を張ったあと竿をブランデーグラスのように軽く握り、竿全体で当たりを取るよう勧めています。
食べ方
刺身は甘みが強く、天ぷらやバター焼きも。締めてから一晩寝かせると甘みが増します。Zoral ほか(2025)は、野生のアオリイカの仲間(近縁の複数種を含む)からサナダムシ類の幼虫を見つけ、沖縄の野生個体では感染率が100%だったとする一方、人が食べたときの影響は分かっていないと述べ、完全養殖の個体からは見つからなかったと報告しています。
出典
- 論文・英語 Kubo U ほか(2025) Relationship between seawater temperature, brain GnRH-like peptide expression, and gonadal development in wild bigfin reef squid (Sepioteuthis lessoniana)
- 論文 Wada Y, Kobayashi T(1995) アオリイカの多回産卵について
- 論文 Wada Y, Nishioka J, Tanaka M(1995) 京都府沿岸域に来遊するアオリイカの産卵生態について
- 論文 Ueta Y ほか(1992) 紀伊水道外域産アオリイカにおける卵塊の出現時期と性状および産卵と孵化時期の推定
- 論文・英語 Zoral MA ほか(2025) Infection of two cestode larvae, Nybelinia enterika sp. nov. and Phoreiobothrium sp. in oval squid Sepioteuthis lessoniana species complex
- 動画 YAMASHITA Maria 【イカ釣り入門者必見】アオリイカエギング入門
- 動画 YAMASHITA Maria 【夜にイカのアタリを取る方法】プロが教える!エギングテクニック
解説動画: 【イカ釣り入門者必見】アオリイカエギング入門/YAMASHITA Maria
エギングという釣り: 日本で生まれたイカ専用の疑似餌(エギ)を使い、岸から手軽にアオリイカを狙う釣り。春は1kgから、大きければ3〜4kgの大型が狙え、秋は手のひらから500gほどの新子が数釣れる—— 秋がエギングを始めるのに最適なシーズンだと位置づけている。
道具: ロッドは2.1〜2.6mで、最初は短いほうが扱いやすい。リールは2500〜3000番。ラインはPEを使い、伸びが少ないので竿の動きがダイレクトにエギへ伝わるのが理由。その先に擦れに強いリーダーを結び、スナップを介してエギを接続すると交換のたびに結び直さずに済む。加えて帽子・偏光グラス(イカが追ってくるのが見えるうえ、飛んできたエギから目を守る)・ライフジャケットを必ず挙げている。
場所と時間帯: 一番の場所は堤防だが、アオリイカは真水を嫌うので、大きな川が近い堤防は避ける。ほかに岩礁や海藻の多い磯場、砂利の海岸、ゴロタも有効。時間帯は朝まずめ・夕まずめという光が変化するタイミングが最も釣りやすく、暗くなるにつれて活発になるとしている。
エギの色は光の量で選ぶ: 色数が多くて迷いやすいが、光の量で考えるとシンプルだと整理している。暗いとき・水が濁っているときはピンクやオレンジなど明るい色、日が高くて明るいとき・水が澄んでいるときはブルーやグリーンなど自然に近い暗めの色—— 澄んだ水では色がはっきり見えるぶん、偽物だと見破られにくい色を選ぶという考え方。