「おすすめビルド」をそのままなぞって、2つ目か3つ目のスロットに貫通装備を差し込む。ソロランクではよく見る買い方で、それ自体が間違いというわけではありません。ただ貫通は、Honor of Kings(オナーオブキングス)の装備の中でいちばん「相手次第」でしか価値が決まらないステータスです。タイミングを外して積むと、持っているのに一番仕事をしていない装備になりますし、逆にハマる盤面で積めば、同じ1枠が試合をひっくり返します。この記事では、貫通が"いつ"効くのか、なぜ序盤に積むと無駄になりやすいのか、そして相手が硬くなってきたときにどう判断して積むのかを、確実に言える原理だけで整理します。細かい数値は版やアイテムで動くので、そこは推測せず、要所はアプリの装備一覧で確認できるようにしておきます。

相手の硬さを見てから積む。貫通はレーンと盤面しだいの装備

貫通は、自分ではなく相手が価値を決める

まず原理から押さえます。貫通は、相手の防御(物理防御・魔法防御)を無視する方向に働くステータスです。裏を返すと、無視すべき防御がそもそも無ければ、貫通は何もしてくれません。ここが他のステータスと決定的に違うところで、攻撃力やクリティカルは相手が誰であろうと自分の火力を底上げしてくれますが、貫通の価値は「相手がどれだけ防御を積んでいるか」に丸ごとぶら下がっています。

防御というのは、あなたが与えるダメージの一部を毎回削り取る仕組みです。相手が防御を積めば積むほど、あなたの一撃から削られる量は増えていく。貫通は、その削られていた分を取り返す装備です。だから相手が硬くなるほど「取り返せる分」が大きくなり、貫通の価値もそれに比例して上がっていきます。ここは確実に言える原理なので、貫通は"自分の強さ"ではなく"相手の硬さ"に連動するステータスだと考えておくと、以降の判断がぶれなくなります。

だから序盤に積むと「働かない装備」になる

この原理をそのまま時間軸に当てはめると、序盤に貫通を積むのがなぜもったいないのかが見えてきます。試合が始まったばかりの相手は、まだ防御装備を買っていませんし、素の防御値も低い。つまり無視すべき防御がほとんど無い状態です。そこへ貫通を積んでも取り返せる分が小さいので、装備1枠ぶんの見返りが薄くなります。同じ金額を攻撃力や攻撃速度、あるいはクールダウン短縮や継続力に回したほうが、序盤から中盤の削り合いでは素直に強く出られる場面が多いはずです。

もちろん「序盤は絶対に貫通を買うな」という単純な話ではありません。相手の防御がどのくらいになれば貫通のほうが得になるか、その分岐点は装備そのものの数値で決まるので、ここは目安として捉えてください。大事なのは考え方の順番で、貫通は「最初から予定に入れておく装備」ではなく、「相手の硬さを見てから後出しで積む装備」だと位置づけておくことです。これだけで、なんとなくビルド表どおりに買っていた一枠が、ぐっと活きるようになります。

「相手が硬くなってきた」をどう読むか

では実戦で、いつ貫通に切り替えるのか。判断材料はすべて相手の盤面にあります。

いちばん分かりやすいのは、相手にタンクがいて、その人が防御装備を重ねてきたときです。前衛がどんどん硬くなって、自分の攻撃が通らなくなってきた手応えがあれば、それが貫通の出番のサインです。もう一つ見落としがちなのが、本来やわらかいはずのヒーローが、あなたを止めるために防御装備を差し込んでくるケース。相手のマークスマンやメイジが急に打たれ強くなったと感じたら、盤面はすでに「貫通が効く側」に傾いています。

逆に、相手の編成が最後までやわらかいまま、誰も防御を積んでこないなら、貫通は最後まで積まないという判断も普通にあり得ます。無視すべき防御が無いのだから、そのぶんを火力やクリティカル、攻撃速度に回したほうが素直に勝てる。貫通を積むかどうかは、固定のビルド表ではなく毎試合の相手が決めることだ、と考えてください。

積む量についても理屈は同じです。相手の防御に見合った分を積めば十分で、それ以上に貫通を重ねても、無視できる防御はもう残っていないので見返りが細っていきます。何枠まで貫通に割くべきかは、相手の硬さと装備の効果量しだいというのが正直なところで、このさじ加減は装備の数値を一度見ておくと格段に読みやすくなります。

固定値貫通と割合貫通は、刺さる相手が違う

貫通装備をよく見ると、大きく「固定値で防御を減らすもの」と「割合(%)で防御を減らすもの」の二種類があります。この二つは効く相手が違う、というのが一般的な設計です。ここを取り違えると、せっかく後出しした貫通が空振りします。

割合貫通は、相手の防御の"何割か"を無視します。だから相手の防御が大きいほど、無視できる絶対量も大きくなる。つまり、たっぷり防御を積んだ本物のタンク相手ほど価値が跳ね上がるのが割合貫通です。一方の固定値貫通は、相手の防御から"決まった量"を引きます。防御がもともと少ない相手にこの固定分を引くと、相手の防御に占める割合が大きくなるので、少しだけ防御を混ぜてきた相手や、まだ本格的に硬くなりきっていない相手に効率よく刺さります。

ざっくり言えば、ガチガチのタンクには割合貫通、ほどほどの硬さの相手には固定値貫通、という向き不向きがあるわけです。ただし、どの装備が固定値でどれが割合か、どちらをどれだけ無視するのかという具体的な数値は装備ごとに違います。ここは推測せず、オトモリンバオの装備一覧で各装備がどちらのタイプで、効果量がいくつなのかを確認するのが確実です。相手の硬さのタイプに合わせて固定値と割合を選び分けられるようになると、貫通の一枠が一気に生きてきます。

物理と魔法で分けて考える

もう一つ大事なのが、防御にも貫通にも「物理」と「魔法」の二系統があることです。相手の物理防御を削るのが物理貫通、魔法防御を削るのが魔法貫通で、それぞれ自分と同じ系統の防御にしか効きません。物理アタッカー(マークスマンやファイター、アサシン)は物理貫通で相手の物理防御を、メイジは魔法貫通で相手の魔法防御をこじ開ける、という対応関係になっています。

だから「貫通を積むべきか」という問いは、実のところ「相手は"自分のダメージ系統"に対して防御を固めているか」という問いに置き換えられます。相手のタンクが物理防御に寄せて固めているなら、それを直接こじ開けられるのは物理側のダメージ役です。逆にそのタンクは魔法防御が手薄なままなので、味方のメイジは貫通を積むまでもなく通りやすい。相手が一方の防御に偏るほど、反対側のダメージ役が自然に有利になり、偏った側で殴っている人ほど貫通が必要になる。この非対称を意識すると、チーム全体で「誰が貫通を持つべきか」が見えてきます。物理と魔法が混ざった編成が対策しづらいのは、片方の防御を固めても、もう片方から抜かれてしまうからです。

自分がどの系統のダメージを出すヒーローで、どの貫通装備が選択肢になるのかは、ヒーロー図鑑のおすすめ装備からたどると早いです。自分の系統をはっきりさせておくと、相手のどの防御を狙うのかも自然に決まります。

ここまでの二つの軸(物理か魔法か、固定値か割合か)を一枚に並べると、それぞれの貫通が「いつ・どんな相手に効くか」が見比べやすくなります。効果量は装備ごとに違うので、ここでは向き不向きだけを整理します。

貫通の種類削る対象効きやすい相手・タイミング主に積む系統
物理貫通・固定値相手の物理防御を決まった量ぶん物理防御がほどほど、まだ硬くなりきっていない相手物理アタッカー(マークスマン/ファイター/アサシン)
物理貫通・割合相手の物理防御を割合ぶん物理防御を厚く積んだタンク相手ほど向く物理アタッカー(マークスマン/ファイター/アサシン)
魔法貫通・固定値相手の魔法防御を決まった量ぶん魔法防御がほどほど、少しだけ防御を混ぜてきた相手メイジ
魔法貫通・割合相手の魔法防御を割合ぶん魔法防御を厚く積んだ相手ほど向くメイジ

まとめ:貫通は「後出しで化ける」装備

貫通が扱いにくく感じるのは、それが"条件付きの装備"だからです。相手がやわらかいうちは眠っていて、相手が防御に振り切った瞬間に目を覚まして化ける。攻撃力のように常に効くステータスと同じ感覚で序盤から積んでしまうと、いちばん働かない一枠になってしまいます。

整理すると、判断そのものはシンプルです。

  • 序盤の相手はやわらかいので、貫通よりも火力・攻撃速度・継続力を優先する
  • 相手が防御を積んで硬くなってきたら、そのサインに合わせて後出しで貫通に切り替える
  • 相手の硬さのタイプで、割合貫通(本物のタンク向き)と固定値貫通(ほどほどの硬さ向き)を選び分ける
  • 自分のダメージ系統(物理か魔法か)に合った貫通を、相手が固めている防御に合わせて積む

そして、分岐点や効果量といった"数値で決まる部分"は、毎回感覚で推測するより、一度オトモリンバオで各装備の数字を見比べておくのが近道です。貫通は、盤面を読んで後出しできる人ほど化けさせられる装備です。「みんな積んでいるから」ではなく「相手が硬くなってきたから」を合図に、"いつ積むか"のほうから選び直してみてください。